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コンゴ民主共和国:「エボラは金もうけのための作り話」とみなされています

わずか2週間余りの間に、コンゴ民主共和国東部で猛威を振るうエボラ出血熱の流行により、320人以上が感染し、そのうち50人近くがすでに死亡しています1。また、毎日数十件の感染疑い例が引き続き報告されています。感染が急速に拡大し、保健当局や人道支援団体が感染拡大を食い止めようと奔走する一方で、デマは広まり、住民の間で抵抗感が高まっています。

「事態の緊急性から迅速な対応が求められています。しかし、急ぐあまり、時に重要な手順を省略してしまうことがあります。エボラ出血熱対策を住民が主体的に受け入れ、その対策を遂行するためには、影響を受けた地域社会と時間をかけて関わり、彼らの懸念や意見に耳を傾けることが不可欠です」と、世界の医療団の南キブ州の地域保健担当を務めるオスカー・バヒバ・アヤギルウェは話します。


対応関係者に対する不信感


世界の医療団のオスカー・バヒバ・アヤギルウェ
世界の医療団のオスカー・バヒバ・アヤギルウェ
テントへの放火、投石、死亡した患者の遺体を無理やり引きずり出そうとする試みなど、ここ数週間、イトゥリ州のエボラ治療センター周辺で複数の暴力事件が発生しており住民が感染症対策に不信感を抱いていることがうかがえます。

「エボラ出血熱の流行のたびに、デマが流れます。これは決して新しい現象ではありません。しかし、そのデマは毎回、その時の具体的な状況によってあおられているのです」とオスカー・バヒバ・アヤギルウェは言います。「慢性的な紛争に苦しむコンゴ民主共和国東部で起きている深刻な経済危機は、現在の現地の認識に強く影響を与えています。特に国際NGOが資金不足を絶えず訴えていることから、エボラは医療従事者や人道支援関係者が金もうけのためにでっち上げたものだと考える人々もいます」


対応策を共に作り上げる


現時点では流行の中心地はイトゥリ州に限定されているものの、北キブ州および南キブ州では感染者数が日々増加しています。現地では、世界の医療団が、医療提供者、市民社会組織、地域コミュニティの連絡担当者らと緊密に連携し、この病気に関連するリスクに関する情報発信と地域コミュニティの関与(RCCE : Risk
Communication and Community Engagement)の強化に取り組んでいます。

RCCEは、エボラ出血熱の流行への対応において不可欠な横断的な柱です。なぜなら、これにより、確実で信頼性の高いリアルタイムの情報を住民に伝えることができるからです。これは、地域社会と対応関係者の間の信頼を(再)構築し、誤った情報の拡散を防ぎ、疑わしい症状を示す患者の早期発見を促進するために非常に効果的な手段です。

「地域社会は、私たちよりも自分たちの環境をよく知っています。だからこそ、既成のメッセージや解決策を持ち込むことは避け、住民と適切な対応策を共に構築する機会をもつ必要があります」と、オスカー・バヒバ・アヤギルウェは強調します。

例えば、キブ湖の近くに位置し、多くの旅行者が往来する南キブ州の2つの保健地区であるイバンダやカタナでは、世界の医療団のチームが、特に流行が深刻な地域からの人の移動に関して、警戒を怠らないよう呼びかけています。一方、カフジ・ビエガ国立公園に隣接するミティ・ムルヘサのような地域では、情報発信は主にブッシュミート(野生動物の肉)を食べることのリスク(この病気の感染経路の一つ)に重点を置いています。


地域の人々と力を合わせて


先週から、地元の保健当局と協力し、南キブ州で最初のエボラ出血熱の症例が確認されたブカブおよびその周辺の複数の保健地区において、世界の医療団によりすでに300人の地域連絡員が養成されました。世界の医療団のチームによる継続的な支援のもと、研修を受けた一人ひとりが、それぞれのコミュニティにおいて50~70世帯への啓発活動を行う役割を担っています。

「目標は、できるだけ多くの人々に、できるだけ早く情報を届けることです。そうすることで、誰もが自分ごととして捉え、それぞれの立場で行動できるようになります。流行との闘いは『専門家』だけの責任ではありません。誰もが自分の家族、隣人、地域社会を見守る責任があるのです」と、オスカー・バヒバ・アヤギルウェは述べています。




1 コンゴ保健当局による公式データは、2026年5月31日時点のものです。症例の検証・確認が進むにつれて、数値は下方修正されています。


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