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シリア内戦から6年:人道的危機は今なお続く…

現政権と反政府勢力間の停戦合意がなされたにもかかわらず、一般市民の犠牲は続き、和平を巡るプロセスは再び暗礁に乗り上げました。

シリア内戦から6年:人道的危機は今なお続く...

壊滅状態のシリア


世界の医療団は取り残された市民の救出と人道的支援の提供を速やかに行うとともに、永続的な停戦合意を求めます。
7年目に突入する長きにわたる内戦により医療の必要性は拡大しています。
シリアにおいて、2016年に医療支援を必要とする人々は推定1,150万人、現在は1,280万人に膨れ上がっています。

「2016年12月のアレッポ陥落によって、再び世界の注目がシリア向けられるようになりましたが、今なお惨劇は続いています。住民の負傷者は後を絶たず、彼らは精神的にもダメージを抱えています。」
世界の医療団フランス理事長フランソワーズ・シビニョン医師は話しています。


医療インフラに対する攻撃


シリアでは、内戦以前と比べ医療施設のほとんどが機能していません。
医療施設をターゲットとする意図的な攻撃は2016年だけでも338回、過去最多を記録しました。
2016年にはシリア国内で世界の医療団が支援を行う6つの医療施設が攻撃を受け、医療者15名、患者53名が犠牲になりました。


医療システムの崩壊


現在、病院、医療機器、医薬品、スタッフなど医療に関わる全てが不足しています。
一部のかろうじて機能する病院は、度重なる停電に見舞われており、補助発電機を備える一時的な医療を施す医療機関は、全体の12%にとどまっています。
また医薬品や医療物資の供給も滞っており、包囲されている地域にいたってはその全てが停止されている状態が続いています。
シリア人の医療従事者の半数以上が、国外に避難しました。医療者の教育機会は失われ、内戦が終結する日まで残る医療人材で持ちこたえなくてはならないという厳しい現実にぶつかっています。

「シリアの人々を救うため、自分の命を顧みることなく医療支援を続ける医療者たちの勇気に敬意を表します。国際人道法違反と不処罰が常態化されている現状が続いています。」
シビニョン医師は語っています。


世界の医療団は、国連安全保障理事会加盟国と和平交渉に携わる諸国に対し以下の項目の実施を要請します

  1. 空爆を含む市民へのすべての攻撃の停止と完全な停戦の発効
  2. 安全かつ制約を受けない人道支援アクセスの確保
  3. シリア国内での国際人道法違反と人権侵害の責任を問う信頼性と透明性が確保された調査の実施(2011年3月に遡って)
  4. シリア人市民社会による和平交渉への参加

世界の医療団はシリア北部の医療インフラの不足を補うため、移動クリニックを設置、イドリブ県の住民に向けプライマリーヘルスケア、リプロダクティブヘルスケアを提供しています。
また医薬品、医療物資、医療品が不足するアレッポ、イドリブ、ダルアーの医療施設においても、支援活動を続けています。

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