©MdM Japan

ロヒンギャ難民コミュニティ支援プロジェクト:診療所の診察能力向上を支援

世界の医療団は2021年以来、バングラデシュのNGO(Pulse Bangladesh Society(:パルス))と連携してロヒンギャ難民キャンプと難民を受け入れているホストコミュニティで高血圧症や糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)について予防と管理のための啓発、診療所の診察能力向上支援を行っています。

これまではコックスバザール県の県都のコックスバザール市の近郊のラム郡で政府の基礎診療所であるコミュニティクリニック(CC)の能力向上支援を行っていましたが、この経験・知見を基に現在はコックスバザール市で病院(糖尿病病院)とCC施設を支援しています。まず、これまでと同様に、糖尿病病院とCCのそれぞれの職員へのパルス職員による研修でNCDs(高血圧症、糖尿病、慢性呼吸器疾患など)や血圧・血糖値・BMI測定の方法についての捉え直し(知識の更新)を行いました。その後、パルス職員が各施設とともに診療向上のためのアクションプランを作成し、モニタリングを行っています。アクションプランはたとえば採血後の針などをちゃんと専用の廃棄ボックスに捨てること(※血液は感染源になる)、資機材管理記録をしっかりつけることなどです。また、患者はNCDs診療記録手帳をもてますが、これはいったんCCで健診を受けてから糖尿病病院などで交付されるもので、CCのサービスについて理解を深めてもらうために人々に見学してもらうCCツアーでこのことについても説明し、血圧・血糖値を測定して紹介状を出しています。
ただ、CCの健診担当者(スクリーナー)をたびたび訪れ、彼の測定や記録を拝見していますが、記録をしっかりとつけることに改善の余地があったりします。そこで、こうした業務をある曜日の一定時間にはめ込むといったルーティン化することを提案したりしています。


診療所スタッフへの指導
スタッフへ繰り返し丁寧に説明 ©MdM Japan

以上のことは日本の医療機関の常識に照らせば「当たり前にやるべきことじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、バングラデシュではまだまだ学び合いの習慣が定着していなかったり、政府による資機材や薬剤、専用書式の供給が不安定であったりという課題があります。これに対する私達の支援はほんの一端のものですが、患者のために診療所職員がよりよいサービスを目指して、また、働きやすくなるために基礎をしっかりと押さえることと臨機応変に対応することを支援しています。

クリニックでの麻疹ワクチン接種
CCでは、基礎診療の一環として、現在流行している麻疹のワクチン接種も行う ©MdM Japan

バングラデシュも例外ではなく、国際情勢の影響を受けています。たとえば燃料不足による停電がより頻繁になってきました。人々も診療所職員もより困難な状況にありますが、粘り強く一緒にがんばっていきたいと思います。


海外事業プロジェクト・コーディネーター 中嶋秀昭

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最新記事

参加する

世界の医療団は皆様からの寄付・
ボランティアに支えられています。