©Moath Abu Al-Laban

ガザ3年 長期化する危機が人々の健康に悪影響を及ぼす

世界の医療団 調査報告書を公開

2025年10月の停戦発表および「ガザ紛争終結のための包括的計画」を支持する国連安全保障理事会決議2803の採択から1年近くが経過した今も、ガザは近年の歴史において最も壊滅的な人道上の惨状、すなわち現在進行形のジェノサイドに直面し続けています。

ガザ地区の210万人の人々は、依然として壊滅的な人道状況に直面しています。広範囲にわたる度重なる避難、不可欠なインフラの破壊、そして医療、食料、水、住居、その他の生活必需品へのアクセスの深刻な制限が続いています。
パレスチナの人々は生存に不可欠なシステムの崩壊に直面する一方で、人道支援のアクセスは急激に悪化し、停戦違反も連日続いています。

世界の医療団は過去3年間にわたり、人々をケアしながら、ジェノサイドや人道支援の封鎖がパレスチナの人々の健康に及ぼす影響、とりわけ栄養不良や、性と生殖に関する医療へのアクセス欠如による影響を記録してきました。
世界の医療団はガザ地区全域で、栄養、性と生殖に関するケア、メンタルヘルスを含むプライマリヘルスケアの提供を続けていますが、医療チームは、現在の極めて過酷な生活環境がもたらす長期的な被害を目の当たりにしています。住民は、避難を余儀なくされる状況と、食料、衛生、安全な水、医療へのアクセスが制限される状況という悪循環の中に閉じ込められています。世界の医療団のデータは、人々が予防可能な疾患に絶えずさらされ、不健康な状態に置かれ、治療へのアクセスが限られる中で重篤な合併症を招くという、広範な公衆衛生上の緊急事態を浮き彫りにしています。
本報告書は、ガザに暮らすパレスチナの人々にとって、極めて過酷な生活環境と医療へのアクセスが著しく制限されている状況が複合的に及ぼす影響に焦点を当てています。


方法論の注記
本報告書で提示する証拠は、2026年8月にガザで収集されたデータに基づいています。このデータは、世界の医療団のプライマリヘルスケアセンターの受診者である妊婦・授乳婦(211名)および5歳未満児の養育者(177名)を対象とした聞き取り調査によって得られたものです。さらに、このデータ収集を補完するものとして、ハン・ユニスやガザ市、マワシといった特に脆弱な地域の女性(未亡人を含む計28名)を対象に、2回のフォーカス・グループ・ディスカッション(FGD)が行われました。
調査結果とフォーカス・グループ・ディスカッションにおける地域住民の証言が一致していることは、公衆衛生上のリスクが持続し、かつ複合的に悪化していることを明確に示しており、私たちがこのデータを公表するに至った理由でもあります。質問票調査およびフォーカス・グループ・ディスカッションから得られた知見は、世界の医療団の医療チームが日々行っている1600件の診療を通じて目の当たりにしている状況を裏付けるものです。また、これらは統合食料安全保障段階分類(IPC)によるガザに関する特別報告書(2026年4月~12月期)が示した深刻な予測―ガザ人口の67%にあたる140万人が「危機」段階またはそれ以上の深刻な状況にあるという予測―を強調するものでもあります。


主な調査結果


子ども、妊婦、授乳中の女性の疾病負担が高い
保育者を対象に収集されたデータによると、5 歳未満の子どもの 84% がインタビュー前の 3 ヶ月間に病気になっていました。病気には、発熱、下痢、咳や呼吸器疾患、皮膚疾患などが含まれます。 58.2% に、貧血と関連する症状が少なくとも一つ認められました。有病率が 40% 以上の場合、世界保健機関 (WHO) は深刻な公衆衛生上の問題として分類しています。

同様に、妊娠中および授乳中の女性は、下痢、急性気道感染症、皮膚疾患などの最近の病気に罹患している率が高い (57%) ことが示されており、さらに93.4%が貧血を示唆する症状を報告しました。 WHO によると、世界では妊婦の 37%、15~49歳の女性の 30% が貧血に罹患しています。
WHOは、貧血の全体的な有病率が40%を超える場合を、深刻な公衆衛生上の問題と位置づけています。


妊婦および授乳中の女性の栄養不良
調査対象となった女性のうち、食事の多様性に関する最低基準(5つ以上の食品群を摂取すること)を満たしていたのはわずか17%でした。鉄分、亜鉛、必須脂肪酸の重要な供給源である肉類(15%)、魚類(4%)、ナッツ・種子類(10%)の摂取量は、依然としてごくわずかな水準にとどまっています。こうした状況は、貧血や妊娠・出産時の健康上の問題(不良な妊娠転帰)のリスクを直接的に増大させています。世界の医療団の記録によると、2026年第1四半期に同団体のプライマリヘルスケアセンターを受診した妊婦の42%が、鉄欠乏性貧血を患っていました。比較として挙げると、WHOのデータでは、先進国における妊婦の貧血有病率は20%から25%の範囲にあります。

ガザの妊娠中・授乳中女性の摂取した食品グループ
その他の項目
・多様性が失われた食生活が、栄養状態の悪化を招いている
・世帯の回復力の段階的な低下
・病気を引き起こす生活環境
・医療へのアクセスが著しく制限されている
ほか


>>報告書を読む(PDF・英語のみ)





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