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台風19号と続く豪雨の被災地を訪問しました

2019年10月、東日本を中心に大きな爪痕を残した台風と豪雨。新しい年を迎えた今も、被災地では復旧活動が続いています。発生から2か月近くが経過した昨年12月、福島県いわき市を訪問しました。

台風19号と続く豪雨の被災地
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まず驚いたのは、被災した方々が生活再建に至るまでには想像以上の時間を要することです。例えば水害に遭った家屋では、床下部分の乾燥だけでも一か月以上が必要とのこと。氷点下まで冷え込む厳しい寒さの中でも、風が吹きこむ家で過ごさなければなりません。浸水被害を受けたある平屋のお宅に訪問させていただきました。たった数十分の滞在でしたが、屋外と変わらない体感温度、身体は芯から冷え、暖房器具がない中、私であればきっと生活できないと感じました。水害で家財道具を失ってしまい、経済的負担の大きさから暖房を買えず、布団やこたつだけで寒さに耐えていらっしゃる方がいました。厳しい環境にあってもひたむきに一人片付けを続ける男性は、定期的に訪問するスタッフに対して「会うたびに元気をもらう」と明るい表情を見せてくれました。

また私にとっては初めてとなる、避難所も訪問させていただきました。世帯ごとに区切りはあるものの、居住空間は外から覗ける状態、生活音も漏れ聞こえてきます。十分なプライバシーが確保されない状況を見て「私であれば一日たりとも避難生活に耐えられないのでは…」という印象を持ちました。ある年配の女性にお話を伺いました。東日本大震災、今回の台風豪雨という二度の災害に見舞われた女性、「この先どうなるのか…」と今後の不安を吐露するその声は震え、私はかける言葉が見つからずその場で立ち尽くしてしました。

「被害に遭った人たちが”よいしょっ”と立ち上がり、少しずつ生活を再建していくためのお手伝いをしたい」
災害直後より現地に入り、支援活動に従事する小松原ゆかり健康運動実践指導者が語った言葉です。
実際に現場を訪れると、被災した方々の生活再建に要する労力やプレッシャーは計り知れないものがあることがわかりました。通常の生活に戻るためのサポートだけでなく、継続的な心身のケアが必要だと改めて感じた一日でした。

世界の医療団スタッフ 伊藤馨惠


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