アフリカの角、ソマリアでのミッション開始

最近日本のメディアにも取り上げられているように、「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ大陸東端の、ソマリアとエチオピアの一部からなる半島では、極度の飢饉が続いています。
世界の医療団は、ソマリアでの医療活動支援を7月1日に開始しました。今回は、このプロジェクトの内容について紹介します。

アフリカの角、ソマリアでのミッション開始

ソマリアのボサソにおける医療支援開始


ソマリア東北部のプントランド(Puntland)自治州にあるボサソ(Bossaso)で、世界の医療団は2011年7月1日、移住を余儀なくされている人や郊外の社会的に弱い立場にある人々を対象に、母子健康支援のプロジェクトを開始した。また、ソマリアを襲う食糧危機の現状を踏まえ、現場の重大なニーズへと有効に対処するために、このプロジェクトよりもさらに踏み込んだ支援を行う用意があると表明した。

このボサソ地域は、人道援助を行う外国の団体もアクセスが許されている場所である。
実は、2007年以来ソマリアで活動している世界の医療団は、メルカ(Merka)と南ソマリア(Somalie du Sud)での活動を2011年の3月に停止しなければならなかった。理由として、人道援助活動の監視が重大な問題とみなされるソマリアで、治安上の問題や、医療支援の質を下げることとなったソマリアの人々へのアクセスの難しさがあった。

南・中央ソマリアが暴力を伴う政治紛争に悩まされているのに対し、プントランド地方では政府が設置されてからは比較的安定した状態が続いている。毎日、多くの移民や移住を考えて移動している人が到着し、プントランドの経済の中心であり水資源が豊かで港もあるボサソ地域へと落ち着こうと模索している。また、ペルシア湾に面する国々や、イエメンへと向かおうとする人もいる。


活動の現状


世界の医療団は、他の人道支援団体と協力しながら、プロジェクトをすでに展開した地域での活動を、さらに医療支援が必要な人々や地域へ届けていく機会や方法がないかについて現在協議中である。


被支援団体


2008年に、世界の医療団の現地パートナーであるICDP (強制移住を強いられる人々への包括的支援:Integrated Services for Displaced Population) は、ボサソへ移り住んできた人々は39212人に達したと発表した。また、DRC (デンマーク難民協会:Danish refugee Council)の見積もりによれば、その数はここ2年半で25パーセント以上増加したとされており、2010年の12月には49000人に達したとの報告を出した。

世界の医療団の活動は、女性と子ども達や、町に設置されたキャンプに住む最貧層の立場にある人の支援を優先事項としており、今までに約1万人の妊産婦と5歳以下の4万人の子どもが世界の医療団の医療支援を受けている。


活動内容


妊産婦と子どもの死亡率を下げるため、世界の医療団の活動は5つの現地の母子健康センターを拠点としており、まだカバーされていない医療ニーズが満たされるよう、政府や地元の団体と協力している。具体例としては、現地パートナーであるICDPによって運営されている4つの保健センターや、保健省管轄の保健センターで支援を行っていたり、移動医療活動チームをつくり移住のさなかにある人々の医療ニーズに答えていたりすることが挙げられる。


主な支援の具体例


・基本的医薬品、ワクチンや医療の備品の配布
・医療人材の育成、医療活動の監督
・地元団体への技術移転

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最新記事

参加する

世界の医療団は皆様からの寄付・
ボランティアに支えられています。