南米コロンビアはどんな国?
みなさんはコロンビア共和国について、どんなことをご存じでしょうか。日本の3倍の国土に5000万人あまりが暮らしています。多様な人種が混ざり合い、公用語はスペイン語で、日本へは石炭やコーヒー、生花、エメラルドなどの宝石等が輸出されています。1810年にスペインの植民地から独立。軍事政権時代を経て、二大政党による政治体制が20世紀末まで続きます。ところが、1960年代から政府軍と左翼ゲリラの内戦が勃発し、50年以上も続きました。1980年代から1990年代には麻薬のからんだ暴力も横行。殺人発生率が世界最悪を記録しました。その後、政府が治安対策に注力し、治安が回復していると言われています。依然として続く暴力の支配

心理学者であるイエイミー・アレハンドラ・ガルシアさんは、「ここの人々は不安に苦しんでいます。主な症状は睡眠障害、うつ病、自傷行為、心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症です。精神衛生の問題に対処するのは非常に困難です。まずは身体的な病気を訴える人がいますが、実際に話をしようとすると、多くの人が精神的に参ってしまいます」と話します。
このプロジェクトを支援する
*世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。
*世界の医療団は、受け取った寄附金を特定の支援プロジェクトのみに充てることなく、
頂戴した寄附の総額を支援活動全体に分配することを原則としています。
道がないなら川から船で医療を届ける

病院船はケアと診察のための設備を備え、月に1回、船は2~3週間かけてサン・フアン川の様々な地域を巡航。医師のほか、看護師、心理士、助産師、受付係、検査技師などが乗船し、あらゆるニーズに応えています。6ヶ月間で、4,400件以上の健康相談と約400件のメンタルヘルス相談を行い、700人以上を医療機関に紹介しました。
1歳の息子を連れて初めて来たというミルナさんは、「息子が下痢に苦しんでいて、病院は遠くて行く手段がないのです。ここで治療してもらえるのは助かります」 と話します。
ルシール・コイザマさんはブエナビスタ出身です。3人の子どもがおり、現在4人目を妊娠中です。病院船で受けた超音波検査で、妊娠は順調で、赤ちゃんの発育も順調だと告げられました。ルシールさんは安堵しつつも、「ここでの生活は本当に大変です。例えばバナナの収穫に出かけたい時も、怖いのでグループで行かなければなりません」 と言います。

世界の医療団はまた、人々に正しい健康情報を伝えるため、避妊、メンタルヘルス、コレラや赤痢等の水系感染症など、様々なテーマについて、地域社会で共同ワークショップを開催しています。さらに地域の保健推進員の研修を行い、地域の人々が自分たちで健康を守れるようサポートしています。
ジェンダーに基づく暴力の苦しみをケアする
特に先住民族やアフリカ系女性、そしてLGBTQIA+の人々に対するジェンダーに基づく暴力は増加しています。世界の医療団は、性暴力被害者を保護し、その苦しみがやわらぐようケアしています。また、地域の保健センターで、住民や地域のリーダー、医療機関を対象に、家庭内暴力、性暴力の予防とケアや、差別・偏見を防ぐワークショップも行っています。
これまでの支援実績(2024年度)
診療の件数 2万5617件
メンタルヘルスの相談件数 7106件
性と生殖に関する健康についての相談 7658件
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絶え間ない暴力にさらされている人々にとって医療は生きる支えであり、 こころと身体の回復力を育みます。 これからも継続して質の高い医療を届けるために、 どうか皆さまのあたたかいご支援をよろしくお願いします。 *世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。 ![]() ©MdM |
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