イスラエル軍は9月8日、ガザ市内の世界の医療団診療所からわずか数メートル離れた建物を爆撃しました。スタッフと患者全員は無事でしたが、爆発により施設は深刻な被害を受け、完全に使用不能となりました。当団体チームへの事前警告や避難命令は一切なされていませんでした。世界の医療団は、国際人道法に対するこの露骨で容認できない新たな違反行為を強く非難します。
数週間前から、イスラエル軍はガザ市への地上攻撃が迫っていると発表しており、爆撃は激化の一途をたどっています。私たちの現地のチームは同地域での活動継続に深刻な懸念を抱いていました。
「スタッフと患者を避難させるための安全なルートを緊急に確保する必要があるとイスラエル当局に繰り返し訴えてきましたが、何の返答もありませんでした。そのため私たちは患者らを安全な場所へ移動させる決定をしました。この診療所で犠牲者が出なかったのは、チームが冷静かつ迅速に対応したおかげです。しかし、彼らは深い衝撃を受けており、身を隠す安全な場所も失っています」
ヘレナ・ランシャル(世界の医療団 フランス 国際事業部長)
悪化する状況により、世界の医療団は2つの診療所を閉鎖せざるを得なくなり、この地域における活動を無期限に停止せざるを得なくなりました。その結果、私たちのチームが毎日治療していた600人の患者が、現在治療を受けられなくなっています。
「これは国際人道法に対する新たなそして露骨な違反です。民間人、人道支援従事者、医療スタッフの保護を2年近く求めてきたにもかかわらず、状況は悪化し続けています。ガザ市では居住空間が縮小の一途をたどるなかで、今や100万人の人々が緊急に安全な避難場所を必要としています。私たちは住民と同僚たちの安否を深く憂慮しています。現状が変わらなければ、世界の医療団はガザでの活動を終了せざるを得なくなるでしょう」
ジャン=フランソワ・コルティ博士(世界の医療団 フランス 理事長)
世界の医療団は、イスラエル当局に対し、民間人および人道支援従事者への攻撃を直ちに停止し、占領下のパレスチナ地域における支援活動の妨害を一切中止するよう強く求めます。国際社会は、停戦が速やかに実現するよう圧力をかけるべきです。