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ギリシャ・レスボス島 難民キャンプ

医療から疎外された難民キャンプで、 命の砦を守る

ヨーロッパを目指す人々が海を渡ってたどり着く島


レスボス島地図エーゲ海北東部に位置するギリシャ領レスボス島。2023年3月30日現在、レスボス島には約2,570人の難民と庇護希望者が滞在しています。島にはいくつかの難民キャンプがありますが、ほとんどはマブロブーニキャンプ(一時収容施設)で生活しています。現地からの報告によると、2023年に入り、海のルートでギリシャに入国する人の数が増加し、1日に250人が島に到着した日もあったとのことです。その一方で、ギリシャ領土への上陸を阻止され、強制的に海に戻される事例も発生しています。


レスボス島の難民と庇護希望者の数      2,570
マブロブーニキャンプに滞在している人数   2,215
そのうち子どもの数             559
*2023年4月11日現在

このプロジェクトを支援する

*世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。
*世界の医療団は、受け取った寄附金を特定の支援プロジェクトのみに充てることなく、
頂戴した寄附の総額を支援活動全体に分配することを原則としています。


過酷な難民キャンプ生活 人間の尊厳とは


人々は非常に厳しい環境に置かれています。レスボス島には、ヨーロッパ最大規模のモリア難民キャンプがありましたが、火災で焼失したために急いで建設されたのがこのマブロブーニキャンプです。閉鎖的な収容施設は常に過密状態にあり、暴力が横行、不当な拘束が行われていると報告されています。衛生状態は非常に悪く、医療体制も不十分です。医療サービスについては、2022年2月にギリシャ保健省による提供が終了して以降、世界の医療団をはじめNGOが全面的に支えています。

レスボス島
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世界の医療団の活動


世界の医療団は2012年から現地で活動していますが、現在は難民キャンプ内の小児科とリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)をすべて担っています。キャンプ内のニーズの増加に反比例して支援を行うNGOが次々と撤退しており、対応が追いついていない状況にあります。

小児科

1名の小児科医が週5日体制で対応しています。現地の医師からの報告によると、キャンプには診療を必要とする子どもたちが多いため、気管支炎などの定期的なフォローアップが困難なケースもあるとのことです。また今年に入り、現地政府機関と協働して子どもたちへのインフルエンザ予防接種を実施しました。これは昨年秋のうちに予防接種を受ける機会がなかった子どもたちを感染やその合併症から守ることを目的に行われ、計420人、671回の接種を行いました。また、他NGOとの協力のもと、1歳未満の乳児を対象に粉ミルクの配布も行いました。

妊産婦のケア

産婦人科医1名、助産師1名からなるチームを結成。妊産婦の診療をはじめ、情報提供、妊娠中の感染症や異常のチェック、必要な場合は心理社会的サポートとの連携など、さまざまな側面から妊産婦のケアを行っています。医療チームによる診療は週に3日ですが、患者の様子を把握するために医療メディエーターが間に入り、毎日連絡を取り合っています。また、ギリシャ国内で難民が医療を受けるための申請手続きが完了していない妊産婦が、緊急に受診を必要とするケースもあります。このような場合、公立病院では対応できないため、世界の医療団が民間の医療施設に搬送する手続きを行うこともあります。

活動実績


< ご支援はこちらから >

次々と到着する人々、新しい収容施設の建設計画など、レスボス島の状況は日々変化がありますが、世界の医療団は、目の前の命を守るため、これからも柔軟な医療活動を続けていきます。
皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。

*世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。
*世界の医療団は、受け取った寄附金を特定の支援プロジェクトのみに充てることなく、
頂戴した寄附の総額を支援活動全体に分配することを原則としています。

レスボス島
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