世界の医療団2022年度活動報告会を開催しました

2月24日(金)に世界の医療団2022年度活動報告会を開催しました。日頃から世界の医療団を応援してくださっている方々をはじめ、たくさんの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

2022年は終わりの見えないコロナ禍で始まり、2月24日にはロシアによるウクライナ侵攻がありました。今回の活動報告会が開催された2月24日はちょうどウクライナ侵攻から1年を迎えた日でもあり、ご参加いただいた方々にもウクライナの現状や世界の医療団の活動にたくさんのご関心をお寄せいただきました。

活動報告会では、第一部で世界の医療団の理事であり、株式会社フィールド・デザイン・ネットワークス 代表取締役の見山謙一郎氏が「なぜ今、NGOなのか?」というテーマでお話ししました。見山氏は、「一見、繋がりそうもないものを繋げたい」をテーマに経営学×社会課題という視点からさまざまな仕組み作りをされています。今回は、ビジネスやメディア、SDGsなどそれぞれからNGOを考えるヒントを話していただきました。
たとえば、メディアの視点。今、日本人は、知るべき社会課題についての情報に触れる機会が少ない。この情報を正確に入手し、自分事化することができれば、行動につなげることができるのではないか。しかし、この時代に、バイアスのない情報をどのようにして得ることができるのか?現地の一次情報を手に入れることができるかが重要であり、NGOはその現場にいる。また、見山氏が提唱している、出口思考で考える「静動脈連携」の視点では、静脈産業、つまり、中小企業や新興国、途上国、地方、そしてNGOなど現場の側から循環をしていくことが世界を大きく変えていく原動力になるのではないか。課題解決型のアプローチを考えるときに、これから主役になるのは静脈産業。今、なぜNGOなのかを考えるヒントになるー。
そして最後には、NGOはなにができるかを考えるのではなく、なぜ困っているのか、なぜこういう問題が起こっているのかを最初に考えて対案を出していく。これが本来の姿であり、NGOが理解されるための手がかりになるのでは、との話がありました。

第二部では、事務局長の米良が世界の医療団の2022年を振り返ったあと、各プロジェクト担当者より報告をしました。
はじめに、ラオス地域医療強化プロジェクトについて、小川が報告しました。2022年は事業地であるフアパン県の中で新たにクアン郡とサムヌア郡で事業を開始。フアパン県は、ラオスの中でもへき地であり、少数民族が多く、貧困率が高い地域です。世界の医療団の活動では、①村落の人々に正しい保健の知識を伝える、②保健医療従事者に能力・技術トレーニングを行う、③行政に計画・マネジメント・モニタリングの能力強化をサポートする、という活動を現地の人々が中心になって行っています。

次にロヒンギャ難民コミュニティプロジェクトについて、木田が報告しました。2021年4月から実施している非感染性疾患(NCDs)予防対策事業。世界の医療団の調査によると、キャンプ内では男性の7割、女性の8割がNCDsについて知らず、女性の48%がNCDsに罹患、また、男女ともに高血圧が多いことがわかりました。帰還の目途が立たず、難民キャンプ生活が中長期化する中で、支援は新型コロナウイルスなど感染性疾患に重きが置かれ、NCDsについての支援はまだまだ少ない現状について伝えました。また、事業の対象者を40歳以上としてきましたが、若年層への啓発も必要と判断、20歳以上に拡大しました。

次はウクライナ緊急医療支援について、中嶋より報告しました。活動報告会を実施した2月24日はウクライナ侵攻からちょうど1年。現地の緊迫した状況や医療の現状についてお話するとともに、世界の医療団の活動について説明しました。また、世界の医療団の支援を受けた人々や最前線で活動するスタッフの声を紹介。キーウ郊外ブチャの病院の医師が語った、薬が十分に手に入らないため、必要な量を配ることができない状況の心苦しさなど、現地の声を届けました。先が見えない中ではありますが、今後見込まれるニーズについてお話するとともに、活動を続けていく予定であることをお伝えしました。

最後にハウジングファースト東京プロジェクトについて、武石より報告しました。現在、事業は8団体で運営しており、炊き出しや夜回りをきっかけに出会い、アパートに入居して、地域で生活していくまで、各団体がそのときどき、場面でニーズに応じた支援を提供しています。2022年度は炊き出しの利用者が増加、最多は542人でした。コロナ禍の前から頑張ってきた人たちが、コロナ禍により仕事が減ってしまったり、感染して休業を余儀なくされたりして炊き出しを利用している印象、と武石は話しました。また、医療相談と生活相談の利用者も増加しました。新型コロナウイルスの対応として引き続き発熱ブースを設置、こころとからだのよろづ相談では一人ひとり時間をかけて話を聞きました。また、2021年度に引き続き、ワクチン接種会を実施。6月と12月の2回、開催することができました。

その後のQ&Aではたくさんの質問をいただきましたが、スタッフそれぞれが日々現場で行っていることや感じることなどお伝えしたいことがたくさんあり、時間の都合ですべてにお答えすることができませんでした。中にはNGOの仕事に関心をお持ちの小学生からも質問がありました。コロナ禍で始まったオンラインでの活動報告会も今回で3回目となりましたが、対面でお会いすることが難しい遠方の方々ともつながることのできる貴重な機会となっていると感じます。
ご参加いただいた皆さまからのアンケートでは、貴重な気づきをいただくとともに、とても励まされる思いでした。これからも世界の医療団は、現場の声に耳を傾け、人々に寄り添った支援を行うとともに、発信することを続けていきます。

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