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世界の医療団2017年度活動報告会 レポート

「一人でも多くの人が医療を受けられる社会へ」

2018年1月23日(火)、BNPパリバ証券株式会社様セミナールームにて「世界の医療団2017年度活動報告会」が開催されました。
前日降った大雪で開催が心配された今年の活動報告会、交通機関に影響が残る中、多くの方々にご出席いただきました。
世界の医療団日本理事長オスタン・ガエルの挨拶にはじまり、世界の医療団日本が実施する5つの国内外のプロジェクトについて報告が行われました。

まずはじめに、世界の医療団 日本では初となる国外での緊急支援プロジェクト「ロヒンギャ緊急医療支援」について、11月上旬、調査チームの一員として現地にある複数の難民キャンプを訪れた石原恵看護師と事務局長の畔柳からの報告がありました。現地の状況のほか、調査ミッションによって把握できた医療・栄養・衛生状況における支援ニーズについて、また難民となった人々の証言などを伝えていただきました。

石原恵看護師 これら調査ミッションの結果を踏まえ、12月にスタートした緊急医療支援活動では、子ども、女性、高齢者を対象としたアウトリーチ活動を行い、必要とされる医療につなぐ活動を行っています。
現地スタッフのトレーニング、ベースライン調査、コミュニティ内での衛生、健康教育を活性化することで、必要な医療サービスの提供を行っていく、というお話をさせていただきました。



高木加代子 次に、「ラオス小児医療強化プロジェクト」から同プロジェクトオフィサーの高木加代子より、5歳未満児の死亡率削減実現に向けて、医療者の育成と住民の小児医療に関する理解向上の重要性についての説明がありました。事業期間が終了する約2年後を見据え、更なる技術定着を目指して実践的な研修を行うことで、持続的な地域医療体制の構築を目指していくことを報告させていただきました。


落合庸子看護師 福島県沿岸部の相双地区でのこころのケア活動「福島そうそうプロジェクト」からは、2014年から活動する落合庸子看護師の報告です。戸別訪問でお会いする方それぞれのケースから現在の被災者の方の状況や、実際の言葉を通して、今なお続く複雑なこころの問題や支援の困難さについてお話がありました。最後に、高齢化率が高い現地の活動を通じて感じたこと「高齢者のみなさんの芯の強さ、パワー、ユーモアを感じ、私自身も住民の方々からいつもパワーを分けていただいています」


森岡 大地 医師 形成外科手術を必要としながらも、その機会に恵まれない患者たちに手術を行うプロジェクト「スマイル作戦」からは、22回に及ぶミッションに参加した森岡大地医師より、ミッションの一連の流れやその成果、森岡医師が活動に携わるきっかけなどについてもお話されました。また「今後は難度の高い手術を目指していきます」という森岡医師の言葉通り、技術力の高さと幅広い手術に対応可能な日本の形成外科医の特性を活かして、より積極的に高難度の手術を行うとともに、現地人材育成のレベルアップを図っていく予定です。


西岡誠医師 ホームレス状態の人々の精神と生活向上プロジェクト「ハウジングファースト東京プロジェクト」から西岡誠医師が発表、プロジェクト理念や活動、世界の医療団と連携する団体の役割など、プロジェクトに関して幅広くお話がありました。プロジェクトが採用する支援モデル「ハウジングファースト」についてその効果と、ホームレス状態にある人々の健康状態から、「住まいは健康によい」という自説を発表されました。



最後に、2017年度の世界の医療団の資金調達活動について、ファンドレイジング担当の阿部よりご報告させていただきました。

ご来場いただきました皆様、ご関心をお寄せいただきました皆様、そして皆様のあたたかいご支援に、スタッフ一同心より感謝いたしております。
世界の医療団は、今後も医療支援にとどまらず、人権侵害、医療へのアクセスを阻む状況を証言し、一人でも多くの人が医療を受けられる社会に向けて、積極的な活動を行ってまいります。
引き続き、世界の医療団へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


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