パレスチナ:占領下の子どもたち―拘束され、暴力を受けた子どもたちのこころのケア―

1967年から現在までの50年間、イスラエル軍は、東エルサレム、ヨルダン川西岸、ガザ地区、ゴラン高原を占領してきました。占領は人権侵害をもたらし、人々のこころを破壊します。世界の医療団は、20年以上にわたりパレスチナで活動をしています。現場から届いた専門家ボランティアの証言をお伝えします。

拘束された経験をもつ子どもたちを対象にしたプロジェクト


パレスチナは、人口の約半分が18歳以下の子どもたちです。毎年、500人から700人の子どもたちがイスラエル軍に拘束されています。イスラエル治安部隊に拘束されている子どもたちの80パーセント以上は、拘束、移送、尋問のあいだ、身体的暴力を受けています(UNICEF発表)。拘留を解かれたあとも、子どもたちは暴力や屈辱の後遺症に苦しみます。不安感が続き、PTSD(心的外傷後ストレス障がい)が絶えずつきまといます。多くの場合、子どもたちは学校から離れ、社会や家族の中における関係性はなくなります。

世界の医療団は、20年以上にわたりパレスチナで活動をしています。拘束された経験をもつ子どもたちを対象にしたプロジェクトでは、拘留によるトラウマから、社会や家族の中に再び戻るための継続的な支援を行っています。



“拘留、難民キャンプ内や村への空襲などを生き抜いてきたあとの
負のエネルギーを取り除いて生きていくには、
誰かの支援なしでは非常に困難です”
ソーシャルワーカー Hamzeh Daghashさん



“未成年者は投獄された時点で、子どもの時代を終えます。
彼らはその歳で、強制的に大人になるのです”
プロジェクトコーディネーター Aminaさん

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