© Kazuo Koishi

福島そうそう現地活動レポート18

2017年4月に一部帰還困難区域を除き避難指示が解除された浪江町。帰還者数は5%にも満たず、街には人影があまり見られません。町と住民が直接対話し、新しい浪江を創る、そんな希望を感じることができたサロン活動でした。

今回は、2017年4月に一部帰還困難区域を除き避難指示が解除された浪江町で行われた浪江いきいき交流会での活動(2017.09.20)と、浪江町の現況についてお伝えしたいと思います。


浪江社会福祉協議会が主催する交流会では、協働団体の相馬広域こころのケアセンターなごみのスタッフの方、そして世界の医療団より小松原ゆかり健康運動実践指導士が講師として参加しました。今春、町に帰還された住民14人(女性11名、男性3名)が参加し、ヨガを応用した身体とこころをほぐすプログラムの指導が行われました。小松原健康運動実践指導士の軽妙なトークは場の雰囲気を盛り上げ、また住民同士も身体の触れ合いを通じて絆を深め、笑い声の絶えない(時には爆笑も)集まりとなりました。

運動後はお茶を飲みながらの住民同士の交流の場となりましたが、この4月から始められた交流会に初めて馬場 有(ばば たもつ)浪江町長が途中参加され、浪江町の現状と取組みについて説明がありました。町長のお話しは、浪江町の置かれている厳しい現状を再認識させるものでした。浪江町の震災・原発事故前の人口は約21,000人。しかしながら、この4月に帰還が始まり5ヶ月経過した2017.8月末現在、浪江町に戻られた住民は170世帯、386人とのこと。空き家が多く、今は町に生活感を感じることは難しい状況です。



「町では企業(工場)誘致、商業施設誘致を図り、若者の就業環境整備に力を注いでいる。また週4日開院する浪江町唯一の診療所も緊急医療には対応できないため、来春、隣接する富岡町に完成する2次医療施設の活用を予定している。さらに教育関連では、現在600もの自治体から避難する子どもたちの受入れを目指し、来春浪江町立小中学校1校の開校(震災・原発事故前は小学校6校、中学校3校)を予定している。」など、町の再生に向けた取組みが町長よりなされました。

帰還住民の方々からは、町内に住みつくイノシシは推定で5万頭以上とのことで、獣被害に関する質問や駆除の強化要望など数多くなされていました。



浪江町の現状
街のほとんどの家、商業施設は閉まっており、夜間の暗さ、寂しさが想像されます。 町の中心街での空間放射線量は0.1~0.2程度のところが多く、除染作業はきっちり行われている様子が伺われました。

 最後に試験操業が始まった請戸漁港を訪れると、当日は漁が行われておらずひっそり漁船が係留されておりました。サケ漁で有名な泉田川簗場も秋の遡上が見込めないとのことでしたが、来春には試験的に鮭稚魚の放流を行う予定で4年後の遡上が楽しみだと関係者の話がありました。

避難指示解除からもうすぐ半年、帰還住民のコミュ二ティの再構築に貢献できるような「こころのケア」の必要性を今、改めて感じております。


 福島そうそうプロジェクト コーディネーター 玉手幸一


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