©Françoise Meier

ハリケーン「イルマ」:現地のこれから―感染症流行に備えた警戒が必要―

猛烈な勢力を持つハリケーン「イルマ」による被害が想定より低かったとしても、すでにあらゆる面で脆弱化しているハイチにて、その影響を過小評価するべきではない状況です。
コレラをはじめとする感染症の蔓延拡大を防ぐには、迅速な対応と警戒強化が必要です。

©Françoise Meier

ハイチの北部では、強風や大雨が続いています。コレラや栄養失調が続く北西部にて2014年より支援活動を継続する世界の医療団(MdM)のチームによると、洪水や河川の増水、住宅やインフラ、農作物への被害が確認されているほか、医療や救援活動にも影響が出ています。この地域にて、MdMはコレラ対応に取り組くむ唯一の支援団体として活動を継続してきました。

 

現地では、デング熱、チクングニア熱、ジカ熱など、ハイチで既に感染が確認されている病原媒介性生物による疾患の感染拡大が懸念されています。2017年には症例数の減少が確認されたにもかかわらず、衛生環境が悪化することで、またもそれら感染症罹患者数が10倍に及ぶリスクがあります。

 

緊急医療用の車両や燃料、浄水錠剤や経口補水塩などを手配するとともに、他の団体と協働しながら各地域でのニーズ調査を実施、また現地当局への支援についてより必要とされる項目の洗い出しを行っています。それらの活動にはまず、移動クリニックの開設、医薬品の提供と医療施設の再建が最優先されると考えています。

 

「ハリケーンが去って少し安堵の念はありますが、状況の安定というには全く程遠い状況です。食料と健康に与える影響は、予想以上に深刻です。今後数日の災害対応が最終的な被害の大きさを左右することになるでしょう。」MdMのハイチ・ミッション責任者のAndrée Gilbertは話しています。

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