フランス・カレー難民キャンプ:世界の医療団とユニセフ、子どもたちの保護を英仏両政府に要請

2016年9月8日-パリ  先日、フランスのベルナール・カズヌーヴ内務大臣より、フランス・カレーにある難民キャンプの解体がすぐにも着手される発表がありました。
ユニセフ・フランスとイギリス、世界の医療団フランスとイギリスは、国際法に基づき保護者を持たない未成年者全員の保護を要請します。

フランス・カレー難民キャンプ:世界の医療団とユニセフ、子どもたちの保護を英仏両政府に要請
「これら同伴者のいない孤独な子どもたちの今後が懸念されるばかりです。助けを必要としている子どもたちに対して、適切な居場所を用意することなしに見捨てることはあってはならないことです。」ユニセフ・フランスのJean-Marie Druは警告しています。

フランス・カレー難民キャンプ:世界の医療団とユニセフ、子どもたちの保護を英仏両政府に要請  
「有効な解決策なしにキャンプの解体が実行されることになれば、同伴者を持たないこの子どもたちが危険にさらされることは間違いありません。難民受入れセンターが、全ての子どもたちを保護することは不可能です。72ヶ所にある難民受入れセンターでの受入れ準備がまもなく整うとのことですが、現在スラムや難民キャンプに住む保護者がいない子どもたち全てを収容することはできません。キャンプが解体されれば、これまでキャンプ内で大人の難民や支援者によって行われた監視の目も行き届くことがなくなります。2016年3月に強行されたキャンプ南側の解体後、行方不明になった子どもたちの数がそれを物語っています。」世界の医療団フランス理事長フランソワーズ・シビィニョンは述べています。

フランス・カレー難民キャンプ:世界の医療団とユニセフ、子どもたちの保護を英仏両政府に要請
世界の医療団とユニセフは、数ヶ月間に渡ってフランス北部の難民キャンプにいる保護者を持たない未成年者について、早急な保護措置を求めて声を上げてきました。11歳から17歳の難民を対象にしたユニセフ・フランスの社会学研究の調査報告をはじめとする各機関による調査報告書によると、フランス北部の難民キャンプに滞在する同伴者を持たない子どもたちは常に危険な状態に晒されていることが明らかにされています。今夏以降、子どもたちを救済するために様々なイニシアティブがとられてきましたが、こうした取り組みも解体という性急な決定によって無駄な努力に終わってしまうのです。

キャンプ解体が切迫する中、私たちは同伴者を持たない子どもたちの保護を求め繰り返し訴えてまいります。

また、世界の医療団とユニセフは家族の再会プログラムに関し、立ち退きが決行される以前に子どもたちの身元確認や申請処理について、フランスとイギリスの政府間協働の対応がなされることを期待しています。

通称ジャングルと呼ばれるこの場所にいる子どもたちの劣悪な生活環境と危険について我々が忠告している間にも、代替案がないまま解体する事態に到ってしまいました。解体による退去が実施されれば、子どもたちはこれまで以上に深刻かつ危険な環境に追い込まれることになるのです。

子どもたちの保護の確保がなされないままのキャンプ解体に対して重大な懸念表明すべく、ユニセフと世界の医療団は、ここに共同声明を発表いたします。

「強制退去の執行を行う前に、子どもたちひとりひとりの状況にのっとった保護策を講じることを要請します。そうした対応策がなされることがなければ、子どもたちは人身売買を含めた更なる危険に身を晒されることになるのです。」

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