難民危機:世界の医療団、欧州での政治的団結と積極的な対応を要請

2016年3月4日、パリ— 世界の医療団(Médecins du Monde)は、第二次世界大戦以来最悪の人道危機に欧州は直面しているとして、3月7日からの欧州連合(EU)・トルコ首脳会合に向けて、難民問題に対する各国の進まない政治的対応を非難するとともに、欧州全体による一体化した対応を要求します。

難民危機:世界の医療団、欧州での政治的団結と積極的な対応を要請
何百万もの人々が、紛争と極度の貧困から逃れるために家を捨て、今日、更に多くの難民が生まれました。

‐ギリシャ、世界の医療団の患者の60%は子どもである

‐フランス・カレー、約300人の同伴者を持たない子どもがサポートと保護を必要としている

欧州各国による国境閉鎖が続く中、あらためて欧州全体の結束が求められ、その真価が問われています。各国独自によって進められた対策では混乱が深まるばかりであり、より長期的なビジョンを踏まえた対応が必要とされています。

世界の医療団が活動するにあたって、全ての難民移動ルートで人道的状況の悪化が確認されています。

‐ギリシャとマケドニアでの国境にあるイドメニでは、約12,000人が足止め状態にあり、危険かつ劣悪な衛生環境下で生活を送っている。世界の医療団の派遣チームは、皮膚疾患、胃腸炎、 呼吸器系感染症などの診療にあたっている

‐7年にわたって経済危機と社会危機に苦しむアテネにおいては、25,000人を超える人々が足止めされている

‐ギリシャ全域において、ギリシャ国民は私たち世界の医療団を含めて、難民の苦難を軽減し、最も弱い立場にある人々を守るために活動する組織や団体に非常に協力的である

‐2千キロ離れたフランス・カレーでは、十分な居住施設の用意がないまま難民キャンプの解体が進められている

世界の医療団フランスの理事長フランソワーズ・シヴィニョンは以下のように述べています。「医療、また人道的に難民を取り巻く状況は悪化の一途を辿っており、難民の中でも特に最も弱い立場にある女性や子どもへの暴力や虐待などが露呈してきている。ギリシャが難民を受け入れる間にも、フランスは難民キャンプを取り壊し、他の欧州諸国は難民の流入を止めるためにフェンスを設置している。最終的に欧州が結束し、難民のために安全な場所を提供すると、私たちは信じています。」

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