ヨーロッパにおける難民受入れ危機 現地レポート2

ヨーロッパで起きている難民の受入れ危機について、現地の情報をまとめました。 テロ発生後、欧州では難民の受入れに関する政策の見直しや移動の制限を求める声が上がり、難民をとりまく状況は一層厳しい局面に直面しています。

ヨーロッパにおける難民受入れ危機 現地レポート2
今回のレポートは、パリの同時多発テロが起きる以前に発行されたものになりますが、私たちの使命のひとつ、医療へのアクセスが困難な最も弱い立場の人々の現状を多くの人に伝える証言活動の一環として、活動によって見えてきた現場の状況を、今後も報告していきたいと思います。

ヨーロッパにおける難民受入れ危機 現地レポート2

欧州理事会


2015年10月25日、ブリュッセルにおいて、ユンカー欧州理事会議長の招集により、西バルカンルート経由移民に関するミニサミットが開催された。アルバニア、オーストリア、ブルガリア、クロアチア、マケドニア旧ユーゴスラビア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ルーマニア、セルビアおよびスロベニアの元首ないし政府首脳が「国境管理協力の強化、西バルカンルートにおける難民への人道的支援施策を強化する」ための17の行動計画に合意した…


ベルギー


この数ヶ月、ベルギー連邦政府は難民申請の受理業務が滞っており、その結果、水、食糧、シェルターが圧倒的に不測している。世界の医療団を含む市民団体によるアドボカシー運動とメディアからの圧力が功を奏し、政府は夜間保護施設を提供するための取り組みを強化せざるを得なくなったが、冬の到来が近い現在、特にその必要に迫られている。10月上旬以来テント式キャンプは一掃されたが、人々はただ夜間シェルターに入所するだけのために(その施設で医療を受けることができるかどうかが明確でなくとも)、保護申請の再開を待ち望んで…


ギリシャ


カヴァラ(ギリシャ北部)での支援活動
10月、レスボス島からの移民船がカヴァラに到着した日から2日間で、世界の医療団ギリシャのボランティアチームが島の港で生活する難民の子供たちに800個の小型バッグを配った。中身は、全て世界の医療団や現地組織が寄付として集めた飲料水、ジュース、ミルク、クロワッサン、ビスケット、パン、ドライフルーツ、エネルギーバーなど。このほか、新鮮な果物、毛布、バックパック、レインコート等も大人、子どもたちにそれぞれ配布された。また、アラビア語を話す内科医1名と皮膚科専門医1名が港の難民に対して、初期的な治療を行った。

マケドニアとの国境に位置するイドメニでは、大規模な難民の流入(1日に5,000~6,000人から7,000~10,000人へ増加)に直面している。患者の主な症状として、ウィルス性疾患、外傷、皮膚疾患及び数例の胃腸疾患などが挙げられる。16歳以下の未成年の患者が目立つ。
10月下旬、到着した難民の大多数はアフガニスタンからの移民で、その前はシリアからだった。
また、アテネでは他の島々からアテネに入る難民の一時収容所となっているガラチの屋内競技場において、世界の医療団が初期のヘルスケア及び薬学ケアを実施した。


スペイン


1月から9月の間にシリアからの難民6,000人が、セウタとメリリャの国境地域を通過して、スペインに入国した。難民の多くは、スペインに留まらずドイツに行く事を希望している。10月26日、70人のシリア難民がメリリャとの国境で監視活動を続けるモロッコ警察を振り切り、スペイン側の検問所で難民申請を行ったため、スペイン側で数分間、モロッコ側で1時間の国境封鎖が実施された。多くのシリア難民が、メリリャとモロッコの国境の主要な通過地点ベニ・エンザールで待たされ…

レポートは こちら(PDFファイル)から

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