東日本大震災 福島そうそう現地医療活動レポート14

世界の医療団の活動地域である南相馬市には、福島から飯舘村を経由して南相馬市に入ることが多く、車で約1時間40分ほどかかります。
10月中旬、活動のため、いつものとおり飯舘村を通ったところ、写真のように季節外れに咲いたひまわりの花を見つけました。

東日本大震災 福島そうそう現地医療活動レポート14
後で調べたら、ひまわりが咲いているのは飯舘村二枚橋地区の除染した2ヘクタールほどの農地で、長い間農作物を植えることが出来ずやせてしまった農地の栄養分を回復させるため、8月に地元農家らで作る農業復興組合が種をまいたことが分かりました。チェルノブイリの原発事故では、放射能で汚染された土壌浄化の手段として植えられたという事例に倣い、3年ほど前にも植えられていたとのことですが、効果はさほど無かったと言われています。今回は田畑に栄養を与えるためと美しく咲くひまわりの花を観たい、という農家の人たちの想いからでした。

東日本大震災 福島そうそう現地医療活動レポート14
飯舘村は阿武隈山地の北部に所在する人口6,200人ほどの山村で、農業と畜産(ブランド牛:飯舘牛)を主な産業とした、自然豊かな美しい農村です。現在は福島第一原発の事故により村全体が「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」「帰還困難区域」の3つの区域に分類され、いづれの地域にも住民は居住出来ませんが、政府は平成29年4月からの住民帰還を目指し、除染作業を加速させています。

しかしながら空間線量は未だ高く、除染対象土壌は膨大で、相当な努力が必要と思われます。除染された土は写真のように野積みされ、その数はどんどん増えています。
そういった状況の中でも、一日も早く除染が完了し、住民に懐かしい故郷で自然とともに生きる平穏な生活が戻ることを願わずにはいられません。
ひまわりの花言葉は「愛慕:そばにいたいと思うこと」。故郷を偲ぶ飯舘村の人々のこころがよりそった美しい風景でした。

玉手 幸一 東日本大震災プロジェクト コーディネーター

*この活動のための資金の多くをジャパン・プラットホーム様「共に生きる」ファンドより、ご提供いただいております。

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