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イエメン:国際社会の消極的姿勢は変わらず、人道危機は一層深刻化

本日5月30日、国連安全保障理事会でイエメンの状況について話し合いの場がもたれます。
喫緊の対応が迫られている人道危機、そしてこれまでの国際社会の沈黙に対し、世界の医療団は再び憤りの声を上げます。
市民の保護と人道的介入を速やかに可能にする具体的対応を要請します。

世界の医療団フランス理事長のフランソワーズ・シビィニョンは「時間との戦いです。コレラの流行が急速に拡大し、感染の疑いがある患者は、平均で1日3,000人*1も増えています。半数以上の医療施設が機能しておらず、医療インフラムは崩壊しかけています。」とコメントしています。 *1現地当局の統計

過去数週間の食料、飲料の不足、医療事情と衛生環境の悪化により、コレラの感染が蔓延拡大しています。
4月末からの内戦による死者数は315人、おおよそ29,300人のコレラの感染の疑いが確認されています。人口の3分の2にあたる約1,900万人が緊急の人道支援を必要とし、うち1,700万人が飢餓に苦しんでいます。

栄養失調による死の危険性がある5歳以下の子どもは、462,000人に上っています。現地の行政当局は支援ニーズを把握できず、紛争の影響で国際社会による支援が阻まれています。フダイダ港周辺ではフーシ派と連合軍の戦闘が続いており、イエメンの食料の約8割をしめる食料や医薬品、燃料が荷揚げされる中核において、事実上その物資搬送が停止されています。

フランスも支援する連合軍による港湾封鎖は、イエメンの栄養危機と健康指標の悪化に拍車をかけることとなりました。「過去2年にわたって、イエメンの人道状況の悪化を訴えてきました。国際社会が沈黙を続ける理由はなんなのか?今すぐ人道的介入を行わなければなりません。イエメンは死に瀕しています。」

人道状況の深刻さと国連安全保障理事会の開催にあたり、世界の医療団はあらためてここに紛争の解決と人道援助の再開を促す政治的、外交的取組みが国際社会によって行われることを強く要請します。 

2015年3月以降、イエメンでは紛争による死者は8,000人を超え、負傷者は約45,000人に上っています。世界の医療団はサナアの行政区に5つの医療施設にて、プライマリーヘルスケア、栄養不良の治療とメンタルヘルスケア、そしてコレラ感染に対する治療などの医療支援活動を行っています。

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