【エボラ緊急プロジェクト】医療専門家と伝染病のまん延を食い止める住民啓発に関する研修について

西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行はますます悪化している状況にある。世界の医療団ではリベリアとコートジボワールでの活動を強化している。エボラ出血熱の大規模感染は拡大し続けており、最悪状態の三カ国(リベリア、シエラレオネおよびギニア)のただでさえ貧弱な医療システムでは対応しきれなくなっている。

WHOの統計によると、感染者数(可能性があるもの、確認済みのもの及び疑いのあるもの)は現在6,553人であり、そのうちの3,083人が死亡している。合計3,458人の感染者を出し、1,830人が死亡したリベリアがこの疫病大流行を引き起こした発生地のようである。

「リベリアの医療システムは崩壊しつつあります。185人の医療従事者が既に感染しています。一部の医療スタッフはウイルスの恐怖から現場から逃げ出し、多くの患者も同じ理由で保健センターを避けています。その結果、死亡する恐れがある他の病気(マラリアや虫垂炎など)の患者に対する治療もできなくなり、さらに医療現場の状況を悪化させています」世界の医療団の統括責任者であるピエール・サラーは、このように語った。

また、コートジボワールのように公式には感染者が報告されていない近隣諸国に対する深刻な脅威も存在する。医療及び人道支援を行っている活動家は二重の課題に直面している。

具体的には、エボラウイルス感染患者に対する医療提供と、感染拡大を食い止めることだ。世界の医療団は、後者に対して注力することを決定した。ウイルスの感染拡大を食い止めるためには、この疫病がまん延している地域の関係者の協力を得て、研修と情報を提供することが不可欠である。

「我々は、感染経路、症状、衛生管理、広まるデマへの対応について説明する方法をもっと工夫しなければなりません。そうしないと、状況はますます悪化するばかりです」と、ピエール・サラーは述べている。

世界の医療団では3分野での活動を強化している。感染予防と人々の病気に対する啓発を図るために400人の地域医療従事者の研修を実施。具体的には、感染の疑いのある患者を特定し、リスクを最小限に抑えるように医療従事者を訓練すること、医療施設支援(手袋やマスクなどの医療防護資材の提供)などである。

世界の医療団(フランス)は、リベリアの首都モンロビアの5つの医療センターで60万人、南西部コートジボワール(サンペドロ、ササンドラ、ガニョア、スブレ)の125の保健センターで2百万人の住民に医療サービスを提供する支援を行っている。

また、世界の医療団(スペイン)では、シエラレオネ共和国での流行に取り組み、コイナドゥグ地区の医療機関と連携してその対応能力と住民の予防意識を高めようとしている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最新記事

参加する

世界の医療団は皆様からの寄付・
ボランティアに支えられています。