ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート8

手洗い習慣を大人になって突然身に付けるのは難しい。医療スタッフも例外ではありません。小児科医自らが「なぜ手を洗うのか」「いつ洗う必要があるのか」「どうやって洗うのか」、声を大にして講義する理由はここにあります。

ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート8
実際、早川先生は2013年3月と6月に現場に足を運び、2回連続して各郡のほぼ同じメンバーに手洗い指導すると同時に、知識を問う小テストを各回の指導前に実施しました。

ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート8小テストスコア からみえたもの――それは、着実に手洗い知識が定着しつつあるということでした。 3月の研修前(=学習前)テストでは、スクマ郡・ムンラパモク郡ともに32%以下であった正解率に対し、6月の研修前(=復習前)テスト結果は、スクマ郡で74%まで上昇、ムンラパモク郡で100%に達したのです。

私たちが活動を始める前は、病院以外の医療施設では屋内に給水設備がなく、壁に貼られた手洗いポスターは時間と共に色あせていくばかりでした。しかし、屋内にタップとシンクを設置してからは、にわかに手洗いポスターの存在感が増し、スタッフが診察前後に手を洗う姿、医療備品を消毒前に水洗いする姿を見かける回数が増えました。(現地レポート2参照)

この変化は、繰り返しの手洗い指導と水衛生設備の充実、これらが実を結んだ成果と信じています。その結果、医療施設での感染症予防力アップにつながり、地域の医療機関を受診するこどもたちがその果実の恩恵をうけるのです。 こうして、地域の’健康力’があがっていくのです。

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