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東京・池袋、安定した住まいのない人々を対象とした3回目のワクチン接種会を実施

衛生キット
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観測史上最も早く35℃以上の猛暑日となった6月25日(土)。東池袋中央公園では、吹き出す汗をぬぐいながら、多くの方が配食の列に並ばれました。世界の医療団とTENOHASIが実施する炊き出し医療・生活相談会では、495人に食料を配布、生活相談は14件、医療相談には59人が訪れ、うち医療機関への紹介状を2通発行しました。石けん、マスク、消毒液などの衛生キットは約460セットを配布。うだるような暑さの中、数時間前から配食に並ばれる人たち、一方、日が暮れてからも遅くまで相談する方など、支援を求めて訪れる人々の数は一向に減る気配がありません。

また豊島区と協働で、住民票のない・わからない方のための3回目の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種会を実施し、30名の希望者が池袋保健所で無事に接種を終えました。世界の医療団では、行政と連携し、住民票の住所に送られてくる接種券を受け取ることができない人々を対象とした接種会を昨年2回開催、64名が2回の接種を終えました。3回目となった今回も、事前の炊き出し生活医療相談会や夜回りの場で、チラシを配布しながら周知を続け、ワクチン接種の予約を受け付けるとともに、疑問や相談ごともお受けしていました。「3回目を打てば安心」という声がある一方で、「もう3回目を打った」「ワクチンは打たない」という方もおり、今回は36名が申込みました。前回からの接種期間が短く今回の対象にならない方でも、接種希望の方には個別に相談にのりました。また住まいがない・不安定な方にとって一番の心配ごととなるのは副反応です。接種者には解熱剤と冷却シートを配布するだけでなく、翌日は東池袋中央公園にて医療ボランティアとスタッフで相談窓口を設けました。実際に公園で寝ている方の中には39℃以上の発熱をしている人がいたため、急きょ宿泊の手配もしました。このように医療相談やワクチン接種会のサポートには、多くのボランティアの協力があります。
「本当に助かりました、安心しました」、接種証明を受け取った参加者からの声です。



ハウジングファースト東京プロジェクト
コーディネーター 武石 晶子


武石
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昨年、ワクチン接種が始まる時に、「接種券は住民票のある住所に届く」と発表され、私たちがいつもお会いする、安定した住まいのない方々が、「接種したいのに接種券が手に入らない」、または「接種するか、しないか選択する権利さえ奪われている」という現実にがくぜんとしました。そこから、炊き出しの場で2回の大規模アンケートを実施し、のべ600人以上の方の声を聞くことができました。それらをもとに豊島区行政と何度も打合せを重ね、身分証も住民票もないという方々にとって受けやすく、負担が最小限になる形での接種会の実現を目指してきました。
たくさんのボランティア、声を上げてくれた当事者の方々、そして、私たちの声に耳を傾け協働してくれた行政のおかげで、3回の接種会を無事に終えることができてほっとしています。




住まいのあるなしに関わらず、本当に支援を必要とする人々にどのように医療を届けるか。当事者の声をベースに、行政と対話を重ねながら、「誰ひとり医療から取り残さない」そのような想いで活動を続けていきます。

ワクチン接種会
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