ウクライナにおける民間人および民間インフラが標的とされていることに関する国際NGO共同声明

私たち、以下に署名された人道支援団体は、ウクライナ全土のさまざまな地域で、多くの民間人の死者・犠牲者が相次いで出ていることに衝撃を受けています。
人口密集地を標的にし、民間人から基本的ニーズや人道支援および保護、安全に避難する権利を集団的に奪うことは、国際人道法に明らかに違反しています。
私たちはまた、現在進行中の敵対行為、および、人道的停戦の交渉と確保に向けた国際社会の連携が成功していないことを深く憂慮しています。罪のない人々の苦しみを軽減するためにも、今すぐ停戦が必要です。現在行われている国連主導の指導者同士の交渉がウクライナの人道的状況において前向きな結果をもたらすよう、私たちは固唾をのんで見守っています。
ブチャ、イルピン、ホストメル、ボロジャンカ、マリウポリ、そしてウクライナのその他地域において、罪のない民間人を苦しめることは、許されるものではありません。紛争に関わるすべての当事者は、民間人の生命を守るために欠かせない病院や学校、水・電気の供給といった重要なインフラの保護など、国際的な義務を守らなければなりません。
私たちは、真摯なる政治的合意を求めます。ウクライナのどこであれ、危険性の高い地域に閉じ込められたあらゆる民間人は、安全に移動し保護されなくてはなりません。同時に、彼らが避難先を決める権利は、ジュネーブ第4条約に基づき尊重されなければなりません。
紛争当事者は、難民救済ワーカーやボランティアが救命活動や医療支援を必要とする人々に届けられるよう、妨げられることのない人道的アクセスの構築を早急に促進しなくてはなりません。
この人道的悲劇を終わらせるために、国際社会はもっと良い方法を講じることができるはずです。

3月4日の共同声明で表明した私たちの要求を再掲します。
• 敵対行為の即時停止、および、特に都市部や人口密集地において、民間人・民間インフラを標的にすることを即刻停止すること
• 人道支援機関の独立性と中立性、および、人道支援スタッフとボランティアの保護を尊重し、人道支援を必要とするすべての人々、特に脆弱な状況にある人々に届くよう、紛争の前線を越えることも含め、妨げられず安全な人道的アクセスを提供すること
• 国連安全保障理事会は、政治的紛争をやめ、民間人を確実に保護し、国際社会の平和と安全を維持する権限を守ること
• 国際人道法を遵守し、戦闘行為が行われている地域の民間人や救援者を避難させ、人道支援を必要とする人々に届けるために、無条件で組織的な「沈黙の窓」を設置し、安全の保障を確保すること。また「沈黙の窓」は強制移住のために使われることがあってはならない
• 国連および国際赤十字との全面的な協力のもと、すべての民間人と難民救済ワーカーが安全に通行できることを含めて、人道的貨物および輸送隊が迅速に通過できるシステマティックな人道的回廊の設置と監視を促進すること
• すべての国は、ウクライナから逃れてきたすべての外国人および無国籍者を、国籍、出身国、宗教的背景、人種、民族にかかわらず平等に歓迎すること

署名団体:
Action Against Hunger
Catholic Agency for Overseas Development
Danish Refugee Council (DRC)
handicap international – humanity & inclusion
HelpAge International
Médecins du Monde
NORWEGIAN REFUGEE COUNCIL (NRC)
PEOPLE IN NEED
Plan International
Right to Protection
Save the Children
Welthungerhilfe
Alliance2015



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