コンゴ民主共和国で発生したイタリア大使暗殺を非難する

ブリュッセル、パリ、2021年2月22日――― コンゴ民主共和国ゴマで世界食糧計画(WFP)の視察に向かう車列が襲撃される事件が発生しました。ルカ・アッタナシオ駐コンゴ民主共和国イタリア大使、氏のボディーガードであるヴィットリオ・イアコバチ氏、ドライバーのムスタファ・ミランボ氏が今回の襲撃によって殺害されたとの報が、今朝、世界の医療団のもとにありました。

犠牲となった3名のご家族、ご親族の方々に対し、心より哀悼の意を表します。


アッタナシオ大使夫妻とも親交があった首都キンシャサのMdMチームは、深い悲しみとともに衝撃を受けています。故アッタナシオ大使は、人道精神に厚く人道支援活動にも積極的に携わってこられました。キンシャサの数千人ものストリートチルドレンを支援する「Mama Sofia」は、大使夫人が設立運営した団体であり、MdMはパートナー「Reejer」とともにこの活動をサポートしています。

今回起きた非人道的行為は、今なおコンゴ民主共和国東部の政情と治安が不安定な状況にあることを示すものであり、最初の犠牲者となるのは常に市民です。
2018年ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師の活動パートナーとして、世界の医療団は、コンゴ政府と国際社会に対し、人道法違反や犯罪への不処罰と免責を絶つための秩序の再構築を訴え続けています。
「罪に対しての責任は問われなければなりません。殺人、レイプ、コンゴの人々はあまりにも多くの暴力と苦しみを受け続けてきました。ムクウェゲ医師の設立したパンジ病院では、毎日4人の性暴力被害者を受け入れています。命にも関わる性暴力を受けているにも関わらず、加害者の罪が問われることはありません。一方で、紛争地での活動アクセスと安全の確保が人道支援者にとっていかに困難であるか、今回の暗殺事件によって改めて思い知らされました」ブカヴで活動するコーディネーターは話します。
世界の医療団は、中立・公平な立場での人道支援活動を行う者として、すべての紛争当事者に対し国際人道法の尊重を求めています。
私たちは、アッタナシオ大使への追憶の想いとともに、この戦いに挑み続けていきます。




世界の医療団フランスとベルギーは、コンゴ民主共和国キンシャサと東部(南キブ州とタンガニーカ州)にて、人々が普遍的な医療アクセスを確保するための活動を行っています。保健医療人材の派遣、医薬品や医療機器の提供、無料で質の高い治療やケアの提供などを通じ保健医療システムの強化に取り組んでいます。現地スタッフを中心としたチームが日々現場に出向き、コミュニティや住民とともに活動しています。

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