ラオス小児医療プロジェクト開始

認定NPO法人「世界の医療団」は、ラオス人民民主共和国(以下、ラオス)における、医療施設のスタッフ育成による小児医療基盤の構築、村落健康普及啓発を通じた、住民による医療サービス利用促進、診療・治療の無償化政策導入支援による貧困が原因の未受診削減などを目的とした「ラオス小児医療プロジェクト」を実施します。

ラオス小児医療プロジェクト開始
事業対象地であるチャンパサック県保健省とのMoU(Memorandum of Understanding:事業期間2012年10月~2015年12月)が、本日付で正式に調印されたため、プロジェクト開始を公式に発表させていただきます。


「ラオス小児医療プロジェクト」の背景


ラオスの保健分野の喫緊の課題は、妊産婦・乳幼児の死亡率・疾病率の削減である。特に、5歳未満児の死亡原因の上位が、先進国では既に基本的な医療介入で回復可能な疾病(肺炎・下痢)であることから、小児医療サービス向上によって課題解決が促進される可能性は高いとみている。既に現地カウンターパートの一つである世界の医療団 フランスが、産前・出産・産後に注力したプロジェクトを行っているため、母子健康保健という包括的取り組みに発展させることのできる基盤があるといえる。また、ラオス政府による妊産婦・乳幼児に対する医療の無料化政策法令化(2011年発行)は、住民の経済的負担を軽減するもので保健分野MDG(国連によるミレニアム開発目標)の達成を促進しうるが、最貧国に位置する経済状況かラオス保健省による自力政策運用が困難である。さらに、不足する保健医療人材の育成、医療システムそのものの構築が望まれている。

ラオス小児医療プロジェクト開始

プロジェクトの目的


世界で広く普及しつつある、ワクチン接種・蚊帳普及から、さらに踏み込んだ小児医療介入を行い、将来的にラオス保健省が担っていくことを前提に、母子保健分野の包括的な取り組みへと発展させる。

1)郡病院への小児医療導入
2)保健センター10ヶ所の小児保健医療サービスの質の向上
3)住民の経済的困窮による未受診削減
4)大人が医療施設利用の意義(小児の疾病予防・治療・健康増進)について理解できる健康普及啓発活動の促進


ラオス小児医療プロジェクト開始

主な活動内容


現地に駐在する看護師が現地雇用スタッフ(メディカルオフィサー・コミュニティワーカー)とともに保健センターや病院の監修にあたり、定期的に日本から派遣する小児科医が、現地の医療従事者のニーズに沿ったトレーニングを実施する。駐在看護師・日本事務局・小児科医が日常的にコミュニケーションをとりながら、現地の住環境と医療介入のレベルなどを吟味しつつプロジェクトを進める。

1) 地域医療を担う保健センター・郡病院スタッフに対する小児医療研修・監修
2) 保健センター・郡病院の設備充実支援(小児医療器具・水衛生設備など)
3) 村落における健康教育普及活動
4) 5歳未満児に対する医療費無償化政策の実施(ラオス保健省との協働実施)
5)保健省・自治体の主体性を促すための関係各機関を集めた定例会議の開催


ラオス小児医療プロジェクト開始

活動地域


ラオス人民民主共和国
(チャンパサック県スクマ郡・ムンラパモク郡)


・スクマ郡 62の村落から成る
・ムンラパモク郡 50の村落から成る

ラオス小児医療プロジェクト開始

プロジェクトの体制(本部現地合計15~16名)


<本部>
(定期的に現地に赴きプログラムを遂行する人員 4~5名)

プロジェクトマネージャー 1名
サブマネージャー 1名
国内調整員1名
小児科派遣医師1~2名

<パクセ事務局>(現地常駐 7名)

小児医療ワーカー(看護師)1名
医療衛生ロジスティシャン1名
医療・通訳アシスタント1名
総務・会計、警備スタッフ等4名

<スクマ常駐 2名>
メディカルオフィサー1名
コミュニティワーカー1名

<ムンラパモク常駐 2名>
メディカルオフィサー1名
コミュニティワーカー1名


受益者数


・対象地域の5歳未満の幼児 約15,000人とその家族
・郡病院(2施設)、保健センター(10施設)のスタッフ 約30名
・村落健康普及員 約160名


プロジェクトマネージャー:世界の医療団 熊澤幸子

本プロジェクトウェブサイト

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