東北支援プロジェクト 「福島そうそうプロジェクト」「岩手県医療システム復旧プロジェクト」 開始のお知らせ

認定NPO法人「世界の医療団」(本部:東京・港区 理事長:ガエル・オスタン)は、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故にともない、医療の空白地域となっている被災地の医療システム復旧のため、1)福島県相双地区(相馬市、南相馬市)における精神科医療復旧のためのプロジェクト、2)岩手県の2つの県立病院の仮設診療所へのX線CT装置の設置支援。以上の2つの新たなプロジェクトの実施を本日付で発表致します。

東北支援プロジェクト 「福島そうそうプロジェクト」「岩手県医療システム復旧プロジェクト」 開始のお知らせ

■福島そうそうプロジェクト

世界の医療団では、福島県の相双地区(相馬市、南相馬市、双葉郡)において精神科病院とクリニックのすべてが閉鎖されている現状を打破するため、NPO法人「相双に新しい精神科医療保健福祉システムを作る会」(以下、つくる会とする)を、精神科医・看護師の派遣、医療機器の提供、福祉車両の提供等により支援していくことを決定致しました。「つくる会」は福島県立医科大学神経精神医学講座の丹羽真一教授が中心となり、2011年11月に設立され、活動を開始しました。仮設住宅を訪問するなどの予防的な健康相談・指導に当たる「相馬広域こころのケアセンターなごみ」と、診察や往診、訪問看護を行うアウトリーチ型精神科医療を目指す「メンタルクリニックなごみ」の2の活動を連携させつつ、相双地区における精神科医療の回復と充実を図っています。世界の医療団は、すでに昨年4月より岩手県大槌町で被災された方々を対象に避難所、学校、個人宅などを訪問し、「こころのケア」を中心とした医療支援活動を展開して参りました。継続的に精神科医療を行える基盤を作る必要を感じた「つくる会」の要請に基づき、大槌町での経験を活かし、診察や往診、訪問看護を行う精神科医や看護師の派遣の他、必要な医療機器:脳波計の提供、及び訪問看護に必要な福祉車両の提供を行い、「つくる会」への医療支援を行って参ります。世界の医療団ではこの活動支援による受益者は年間約1,200人ののぼると想定しており、大きな支援効果が期待されております。

■岩手県医療システム復旧プロジェクト

世界の医療団では震災直後の津波により全半壊した岩手県内の2つの県立病院(県立大槌病院、県立山田病院)の仮設診療所に、X線CT装置の設置支援を行います。この活動は岩手県からの要請に基づき行われるもので、本プロジェクトの実施により、県の予算不足からX線CT装置の設置が遅れ、診断を要する患者が被災を免れた近隣の県立病院まで往復2時間をかけて通院している現在の同地区の状況が解消されます。高齢者患者の多いこの地域では通院時の足の確保が大きな問題となっており、病院側と地域住民の双方から強く同設備の設置の要請が強くあったため、今回のプロジェクト実施に至りました。

画像装置関連産業界がCT装置本体を提供し、世界の医療団がCT装置本体を設置するCT室の提供を行い、対象病院のCT診断機能復旧を行います。世界の医療団が国内の支援活動において、医療設備(いわゆる「ハード」)の建設を行うのは今回が初めてとなります。世界の医療団では、津波により流失した医療機器の復旧は地域住民の医療サービスの回復に寄与し、このプロジェクトによる受益者は年間2,000人となるものと想定しています。

<プロジェクト・概要>

■福島そうそうプロジェクト

実施期間:  2012年2月1 日 〜  2013年 1月31 日 

実施地域:  福島県相双地区(相馬市、南相馬市、相馬郡)

実施内容:   診察、往診、訪問看護にあたる精神科医・看護師の派遣、医療機器・脳波計の提供、及び、訪問看護に必要な福祉車両の提供

関連パートナー: NPO法人「相双に新しい精神科医療保健福祉システムを作る会」

受益者数: 1200人/年

プロジェクトオフィサー:世界の医療団 玉手 幸一


■岩手県医療システム復旧プロジェクト

実施期間:  2012年 2月 1日 〜  2012年 7 月 31 日 

実施地域:  岩手県大槌町、山田町

実施内容:   大槌病院仮設診療所/山田病院仮設診療所へのCT室(CT装置本体を設置する部屋)の建設事業

関連パートナー:

岩手県立大槌病院 


岩手県立山田病院

受益者数: 2000人/年

プロジェクトオフィサー:世界の医療団 玉手 幸一

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