©Olivier Papegnies

長期化するガザの燃料危機:その場しのぎではない解決策を

パレスチナで活動する世界の医療団(Médecinsdu Monde、以下MdM)は、燃料不足によりガザ地区の保健医療サービスが危機的状況にあるものの、国際社会がなんら有効な打開策を見出すことができないままにある現状に対し、強い懸念を表明します。ガザで起きている長期的な燃料危機は、もはや一時しのぎの策では解決できません。MdMは、医療に必要な電力が確保できるよう持続可能な解決策が喫緊に実行されることをすべてのステークホルダーに向けて、要請します。

昨年9月5日、国連人道問題調整官は、ガザ地区にて救命救急医療を提供するため、救急医療施設、衛生関連施設の燃料と水の確保、緊急の資金協力を国際社会に向けて呼びかけました。緊急資金調達の呼びかけを行うのは、2017年5月以来今回が4回目となります。一方、ガザの保健省(Ministry of Health、以下、MoH)は、続く燃料不足によって、ガザの病院や主要医療機関、診療所を含む保健医療システムそのものが包括的に機能不全に陥る可能性があることを伝えています。

電力不足は研究機関、殺菌処理、放射線治療などにおいて、深刻なリスクをもたらしていると、MoHのスタッフは報告しています。一部の救急医療室は部分的にしか機能しておらず、適切な治療を提供できる状態にありません。燃料不足によって、プライマリーヘルスケアを行う医療機関が閉鎖されれば、月に約11万人以上の患者が医療を受けられなくなると推測されています。専門的治療では、新生児を含む4,800人がインキュベーターや透析装置などの電気医療機器による治療に依存しているため、生命そのものが脅かされます。また、このような状況が原因で医療施設間の移動を強いられる患者には、更なる経済的負担がのしかかります。

医療セクター全体でみても、体系的に燃料不足の影響を受けています。MoHによると、MoHが管理する薬局でさえも必須医薬品の48%が入手できません。これらひとつひとつが、医療サービスの質に悪影響を及ぼし、患者を危険にさらしています。「健康は政治的手段のために活用されるべきではなく、普遍的な権利でなくてはならない」MdMフランス理事長のフィリップ・ド・ボトン医師は述べています。

MdMは、ガザの危機に関わるすべてのステークホルダーに向けて、より持続可能な解決策を見出し、実行するよう要請します。医療へのアクセスは基本的人権であり、政治的争いの如何によって脅かされるべきものではありません。エジプトは、送電線の技術的問題を解決し、ガザ地区への配電に支障をきたさないよう対処する必要があります。イスラエル当局は、国際人道法に反し、人道支援とガザの復興を妨げる封鎖を今すぐ解除すべきです。
そして、人道法を遵守する機関、国々によって、封鎖を終結させるための具体的な措置が講じられること、特に保健分野における持続可能な取り組みに向けた積極的介入が実現されることを、ここに改めて呼びかけます。

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