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【緊急】ロヒンギャ難民危機:今、高まる医療支援ニーズ

迫害と暴力から命をかけて逃れてきた人々へ、人道的支援を!生きる場所を!

2017年8月25日、ミャンマー西部のラカイン州で、少数民族、多くはロヒンギャに対する迫害と暴力が激化しました。これにより、70万人近くもの人々が隣国バングラデシュに避難するという緊急事態が発生しています。

©Lea Gibert

“世界で最も迫害されている少数民族”


国連は、ロヒンギャを“世界で最も迫害されている少数民族”であると表現しています。ロヒンギャはラカイン州に長く居住していましたが、数十年に渡り差別を受け、1982年にはミャンマー国籍を剥奪されました。無国籍状態であるロヒンギャに対する人道的な支援が、今、必要とされています。

ミャンマーとの国境を越えたバングラデシュのコックス・バザール県。迫害と暴力から逃れてきた人々の大部分は、ここの難民キャンプに滞在しています。キャンプ内は水も食糧も不足しており、寝泊りは簡素な骨組みにビニールを被せたようなテントしかありません。飲料水がないため、人々は水田の水や、手で小さな穴を掘って、そこに溜まった水を飲んでいますが、排泄物などに汚染されているため非常に不衛生です。

この緊急事態は、人々の健康状態や栄養状態を著しく悪化させています。重度の栄養失調、急性の下痢や赤痢、呼吸器疾患は身体的のみならず、精神的にも強い影響を及ぼします。残虐行為による被害のトラウマは、精神衰弱、無言症などに表れます。また、不衛生な環境はコレラや麻疹を蔓延させる危険性があります。


“このセンターのように、少なくとも、生き残れる場所、受け入れてくれる場所を、
何年にも渡って差別を受けてきた人々がようやく見つけることができました”
世界の医療団フランス 理事長 フランソワーズ・シヴィニヨン



“連日、200名以上の患者さんがこちらを訪れ、診察を受けています。
今は、手狭なところで診察をしていますけれども、
これから3つのキャンプに3つのクリニックを開設する予定になっています”
世界の医療団日本 事務局長 畔柳奈緒



“私は、ここにいる人々がひどく落ち込んでいる状態にあり、
日ごとにさまざまな心理的不調を訴える様子を見てきました。
また、レイプされた人、銃で撃たれた人にも出会いました”
現地パートナー団体GK (Gonoshasthaya Kendra) 心理学者 Samiadさん



“患者の多くが女性や妊婦、子どもで、咳、熱、風邪、下痢、赤痢などの症状があります”
現地パートナー団体GK (Gonoshasthaya Kendra) 医師 Nassrimさん


世界の医療団フランス 理事長 フランソワーズ・シヴィニヨン 難民キャンプ訪問後のコメント

難民たちは地獄を経験し、疲れ果て、バングラデシュに到着しました。難民キャンプにいる人々の80パーセントは子どもと女性です。子どもたちは栄養失調に苦しんでいます。急性栄養失調のケースもあります。水に関する感染症の多くは、安全な飲料水がないために引き起こされる感染性の下痢、赤痢です。また、食糧の供給が課題です。食糧や支援を届けるには、ほぼ存在しないような道を通らなければなりません。

ミャンマーとバングラデシュの国境は、一部が陸で、一部が海であるため、木片につかまって泳いできた人もいれば、急ごしらえのボートで渡ってきた人もいました。彼らに質問すると、ミャンマーに戻りたいという人は誰もいませんでした。長く、安全かつ平和に暮らすことができるように整備されるまで、彼らはミャンマーに戻ることはありません。

私たちは、医療を提供し、証言しなければなりません。目の前で起きているこの緊急の人道危機に向き合い、発信していくときがきています。




世界の医療団の活動


世界の医療団はこの緊急事態への対応として、危機の初期段階から現地パートナー団体GK (Gonoshasthaya Kendra)が実施するプライマリヘルスケアや心理ケア、また、暴力を受けた人々の治療などへ支援を開始しました。

現在は、世界の医療団とGKは3つのキャンプにクリニックを設置し、1日あたり合計1,000人以上の治療にあたっています。


現地は緊迫しており、非常に深刻な状況が続いていますが、支援の手がまったく足りていません。今、医療を必要としているひとりでも多くの人へ医療を届けるため、どうか皆さまのご支援をいただけますようお願いいたします。



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