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ラオス小児医療強化プロジェクト:現地活動(活動計画・事業モニタリング)レポートVol. 3-2

2018年活動計画ワークショップ

2018年4月から5月にかけて、2018年の活動を具体化する活動計画ワークショップが開催されました。県保健局のコーディネーターの役割を再定義し、新しいコーディネーターが任命されるまでに時間を要したため、当初の予定よりやや遅れての実施となりました。
初回は県レベルでの枠組み決定、2回目は郡レベルでのアクティビティ具体化を目的とするワークショップです。

初回のワークショップでは、IMC(実施管理委員会)メンバーが県保健局会議室に集合し、2017年活動の結果分析を共有、その後2018年の各活動を具体化するグループワークに取り組みました。3グループに分かれ、各活動(活動1:医療施設スタッフのキャパシティビルディング、活動2:コミュニティにおける健康教育促進、活動3:インパクト評価・モニタリング)の枠組みをまとめ、グループ発表まで行っていきます。

ラオス小児医療強化プロジェクト:現地活動レポート
グループワーク中
活動1での子どもへの医療サービスに関する研修については、主に県・郡病院スタッフであるメンバーが自分たちのニーズを研修にするという形にする作業であったため、比較的話がまとまりやすかったようです。

活動2のVHC(村落健康普及委員会)研修に関しては、企画力がやや不足しているのか、具体性や明確な方向性に欠ける部分が見受けられました。ただ、研修のトレーナーとしての技術不足も自ら指摘し、スキルアップの必要性が発表内容に反映されました。

活動3のインパクト評価に関しては、評価に関する関係者の理解と実践経験がバラバラであることも判明し、次の郡レベルでの会議でコンセプト理解を強化したうえで、再検討する必要が出てきました。

2回目のワークショップは、第1回目のワークショップから1~2週間空けてからの開催となりました。活動対象とする2郡に県保健局・県病院スタッフと世界の医療団スタッフが赴き、各アクティビティ内で企画する研修内容などについてニーズを掘り下げて形にしていくための話し合いをしました。
例えば活動1では、医療スタッフ研修を県病院で行うのか、郡病院で行うのかによって、予算次第で受講人数も変わってきます。どのレベルの研修をどれだけのスタッフに受けてほしいのか、常に人材不足に悩む医療施設では一大トピックでもあり、研修の持ち方によって変わってくる費用対効果も議論しました。最終的には、県病院・郡病院・ヘルスセンター、どの医療施設でどのレベルの医療サービスを提供したいかを再確認する作業から、研修仕様をまとめていきました。研修については、今後すぐに日程調整にはいり、研修トレーナーと準備を進めていきます。

活動2では、第1回目のワークショップでVHC研修企画が具体化できなかった理由として、ワクチン接種率の向上などテーマはあげられるものの、そのためにVHCメンバーとともに村落で何を実行していきたいのか、これがまだ曖昧なままであることが議論されました。VHCに担ってほしい具体作業が明確になれば、VHC研修企画はすぐに具体化できるはずです。
2017年のIMC(実施管理委員会)会議でも指摘があったように(現地活動(活動計画・事業モニタリング)レポート Vol.3-1参照)、郡保健局がコミュニティでの健康推進活動の将来ビジョンをもう少し具体化し、研修計画に落としていくことが、郡保健局の宿題となりました。

活動3に関しては、評価に関する理解が一致していないことがIMC会議で判明したので、何を評価するのか、そのために必要なデータは何か、評価チームが新たに収集・分析すべきデータは何かなどを、少し時間をかけて整理しました。
評価チームの編成も決定したので、今後、活動1、活動2を進めながらも質問票の内容などを作成していく作業に入っていきます。

県保健局のコーディネーターは、自分の不在時にもコーディネートが滞らないようにと、もう一人のスタッフと県病院の担当者と一緒にすべてのワークショップに参加されました。ワークショップ参加後、「活動計画の具体化に多くの関係者が参画した過程は重要であると思う」とのコメントが県保健局のコーディネーターから寄せられました。

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ファシリテート役のMdMメディカルコーディネーター(右)



本事業は事業資金の多くを外務省「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受け、2017年2月より活動を展開しています。

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