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ロヒンギャ緊急医療支援:命を守れる場所を求めて

迫害と暴力の歴史の中にありながら、ミャンマー西部ラカイン州で暮らしてきたロヒンギャの人々。2017年8月25日、エスカレートした暴力による命の危険から逃れるため、68万人以上(IOM発表、4月26日現在)が隣国バングラデシュの難民キャンプにたどり着きました。難民キャンプでは、ぬかるんだ地面の上に、簡単な骨組みにビニールを被せただけの“家”で家族が肩を寄せ合い―あるいは子どもがたったひとりで―、食べるものも十分になく、衛生状態は劣悪、着の身着のままで逃げてきたロヒンギャの人たちには、これからの生活を保障するものはなにひとつありません。

ロヒンギャ緊急医療支援 世界の医療団は、2017年9月より難民キャンプでクリニックを運営するとともに、医療を必要としながらもクリニックへ来ることができない人をアウトリーチ(訪問)によって、医療につなげる活動を続けてきました。危機の初期の頃、クリニックは発熱や咳、下痢などを訴える患者で溢れていましたが、現在ではそのような症状は減少してきています。しかし、人々が殺される残酷な光景の記憶、そこから逃れてきた恐怖などから、依然として精神的な不調を訴える人は後を絶ちません。故郷を追われた彼らには行くあてもなく、68万人もの人々が、命をつなぐための支援を継続的に必要としています。

さらに、雨季対策が喫緊の課題です。キャンプ内における洪水や土砂崩れによる被害や衛生状態の悪化が懸念されるため、地域全体の健康や防災意識の向上が必要です。

< ご支援はこちらから >
ロヒンギャの人々は今、私たちの支援を必要としています。
皆さまからのご寄付は医療となり、現地に届けられます。
どうかあたたかいご支援をお願いいたします。



※世界の医療団へのご寄付は、寄附金控除の対象です


支援の現場から


看護師 木田晶子 世界の医療団 日本 メディカルコーディネーター
看護師 木田晶子


私たちの支援は、高齢者、5歳未満児、妊産婦、15歳から49歳の妊娠可能性のある女性という4つのグループを対象にしています。安全な水へのアクセス、手洗いの仕方など基本的な衛生に関すること、妊婦には、産前健診に行くことの必要性を伝えています。キャンプには栄養状態の悪い子どもが多いです。基本的に2歳くらいまで母乳と食事を併用して与えるのが望ましいのですが、そういう基礎的な知識がないので、離乳食が始まる6か月から完了する2歳くらいまでの子どもたちの栄養失調が非常に多いです。キャンプで配られる食事も十分ではなく、栄養素が限られています。ごはんとカレー味の鶏肉、ダルという豆のスープといった食事が配られるのですが、炭水化物やたんぱく質はあっても、フルーツ、野菜が少ないのでビタミンが不足しています。また、栄養失調の原因は栄養素の不足だけではなく、衛生状態の悪さから下痢や寄生虫にかかることで、体のコンディションが落ちているために必要な栄養素が十分に吸収できず栄養失調になってしまう子もいます。衛生状態と摂取する栄養素の不足というふたつの側面があると思います。それに対して私たちができることは、教育的なアプローチ、治療が必要だという判断、クリニックに行くことへの奨励です。

2月末から3月頭にかけて、外国人がキャンプに入ることへの取締りが厳しくなり、支援団体の人が何名か拘束されました。バングラデシュのスタッフは自由にキャンプに出入りができるので、世界の医療団では、彼らをトレーニングし、彼らを通じてキャンプ内にいるロヒンギャのボランティアや、バングラデシュ人のコミュニティヘルスワーカー(以下、CHW)たちのトレーニングをしています。キャンプ内の情報は、私の右腕となって働いてくれているCHWのヘッドを通じて得ています。伝えたいことがあれば彼を通じて伝える、いわば遠隔でのスーパーバイズです。トレーニングでは、4月から6月にかけての雨季の間はサイクロンが起きやすいので、サイクロンとはどういうものなのか、豪雨によって土砂災害や洪水が起こった場合にどのような影響があるのか、また、リスクを減らすために、今、私たちはどのような行動がとれるのかという対策などを行っています。


厳しい環境のもとでの活動が続いていますが、世界の医療団は支援が必要とされる限り、あらゆる方法を探り、支援を継続していきます。

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