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【※終了しました】シンポジウム「日本におけるハームリダクションを考える」2019年9月8日(日)

イベントは終了いたしました。
多数の方々にご来場いただき、ありがとうございました。



シンポジウム詳細


日本におけるハームリダクションを考える


薬物を使用する行為や自身に危険をもたらす行動習慣、ある特定の職業や性的指向や性的アイデンティティ、それら行為や職業が非合法である場合、そして社会に根付く偏見や差別は、行動を変えることが出来ない、または変えることを望まない人々を社会から疎外し、時にその人たちの人権を侵害します。

ハームリダクションとは、健康上好ましくない、あるいは自身に危険をもたらす行動習慣を持っている人がそうした行動をただちにやめることができない場合、その行動に伴う「健康、社会、経済上の危険・害をできる限り減らす」ことを目的としてとられる、公衆衛生上の実践や政策を意味します。
欧州で生まれたハームリダクションは、世界各地に拡がりを見せ、現在80を越える国で薬物依存症対策や公衆衛生施策として取り入れられています。 


ハームリダクションは、ある行動習慣についての是非を問うのではなく、その行動習慣や行動についての選択を尊重すること、その人の健康に害を及ぼす習慣や危険な行為を止めさせることに主体をおかず、その行為で生じる危険・害を減らすようにしていくこと。



ハームリダクション エイズ/HIVが猛威をふるっていた1980年代後半のフランス、世界の医療団(Medecins du Monde:MdM)は当時違法であった注射針を交換するプログラムを立ち上げました。MdM最初のハームリダクションの取り組みです。以降、注射針・注射器交換プログラムの運営、セックスワーカー向けの予防的サービスと教育プログラムを行うモバイルクリニックの導入と運営、フランス全土での薬物解析サービス用のネットワークの構築など、30年以上にわたって活動を続けています。その活動はフランスにとどまることなく、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、南アメリカの世界各地で、実用的なアプローチによる活動を行ってきました。
彼らのアイデンティティやライフスタイルを否定するのではなく、健康を取り戻すためのニーズに即した解決方法を共に模索し、治療、医療ケア、心理的なサポート、予防医療サービスを提供すること。それらすべてにおいて、前提になるのは是非を問うことのないノン・ジャッジメントの姿勢、その人の意志や選択、アイデンティティを尊重します。

©Sophie Brandstrom

ハームリダクションは現在、WHO(世界保健機構)をはじめ広く公衆衛生のアプローチのひとつとして認知されています。特にHIV/エイズ、ウィルス性肝炎などの感染症対策では大きな役割を果たしているにもかかわらず、依然としてハームリダクションという考え方に基づいたサービスを受けることが出来る人は限られています。また、ここ数年、世界各地でハームリダクションを部分的あるいは全体的に否定する政策が政治の表舞台に再び出始めたことで、特定の行為やアイデンティティに対する法的取り締まりが強化される動きもあります。ハームリダクションを取り巻く環境は日々変化しています。 

一方、日本ではどうでしょうか。ハームリダクションというコンセプトの認知度、その実践の浸透度、世界と比べいずれも大きな開きがあるというのが現状です。

ハームリダクションとは何か。
日本でハームリダクションを導入するとすれば、どのような実践がなしえるのだろうか。

公衆衛生上の実践や政策としての実現を目指す前に、このコンセプトから学び、日々の支援や社会に活かすには? 

依存症や危険とされる行動習慣をやめられない・やめない人、性的マイノリティやある特定の職業から偏見に晒される人々、安定した安心できる住まいを失った人…
ハームリダクションが社会から疎外されやすい人々へのもうひとつの選択肢になりえる可能性はないだろうか。


世界各地でハームリダクションを実践してきたMdMフランスの実践家、日本における専門家・実践家とともに、「日本におけるハームリダクションを考える」場を企画しました。みなさまのご参加をお待ちしています。

#ハームリダクション #ハームリダクションを考える #ハームリダクションとは何か
#HarmReduction #ThinkHarmReduction #WhatisHarmReduction





Logoシンポジウム
「日本におけるハームリダクションを考える」


日 時: 2019年9月8日(日)13時00分~17時30分(12時45分開場)
会 場: 聖心女子大学4号館/ 聖心グローバルプラザ3F ブリット記念ホール   
     東京都渋谷区広尾4-2-24
     東京メトロ日比谷線広尾駅4番出口から徒歩1分

参加費: お一人につき2,000円以上

     *参加費は寄付金控除の対象になります。
     詳しくは こちらをご覧ください。


お申込: *イベントは終了いたしました。多数の方々にご来場いただき、ありがとうございました。

主 催: 認定NPO法人 世界の医療団
    (特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン)

協 賛: ヤンセンファーマ株式会社
   ヤンセンファーマ株式会社




お問合せ先:
     認定NPO法人 世界の医療団

     (特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン)
      03-3585-6436
      communications@mdm.or.jp

シンポジウム「日本におけるハームリダクションを考える」 2019年9月8日(日)














PROGRAM



*司会 世界の医療団ハウジングファースト東京プロジェクトコーディネーター 武石 晶子

*日英同時通訳付き


12:45-13:00 開場

13:00-13:10 「なぜ今ハームリダクションなのか?」
       世界の医療団日本事務局長 畔柳 奈緒




第1部 「ハームリダクションとは何か?」
13:10-14:00
 エルンスト・ウィッセ 氏
       世界の医療団フランス ハームリダクション・アドバイザー

14:00-14:50 松本 俊彦 氏
       精神科医
       国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 
       精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
       病院 薬物依存症センター センター長

14:50-15:10 休憩




第2部 「ハームリダクションとハウジングファースト」
15:10-15:30
 熊倉 陽介 氏  
       精神科医、東京大学精神保健学分野・ことぶき共同診療所

15:30-15:50 西岡 誠 氏
       内科医、ゆうりんクリニック院長

15:50-16:20 「住まいを得た当事者との対話から」
       森川 すいめい 氏
       精神科医、ハウジングファースト東京プロジェクト代表医師

       岩本 雄次 氏
       精神保健福祉士、ゆうりんクリニック ソーシャルワーカー




第3部 パネルディスカッション 「日本におけるハームリダクションを考える」
16:20-17:25

ファシリテーター 望月 優大 氏(ライター)、熊倉 陽介 氏
パネリスト    松本 俊彦 氏、エルンスト・ウィッセ 氏

17:25-17:30 閉会

*プログラム/ スピーカーは変更になる可能性がございます。予めご了承ください。



SPEAKER




エルンスト・ウィッセ 氏 エルンスト・ウィッセ 氏
世界の医療団フランス ハームリダクション・アドバイザー


看護師として、パリの移動クリニックでオピオイド代替療法プログラムに参加したのを機にハームリダクションの現場で活動を始める。フィールドワーカーとして、パリの街で数々のハームリダクション・プログラムを立ち上げる。その後、中東、イラン、アフガニスタン、ミャンマーなどアジアの低・中所得国でハームリダクション・プロジェクトのマネージメントを担当。
近年は、コミュニティ・モビライゼーションとエンパワメントの観点による公衆衛生支援プログラムに戦略的、技術的なサポートを含め積極的に携わる。



松本 俊彦 氏 松本 俊彦 氏(まつもと としひこ)
精神科医
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 
精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
病院 薬物依存症センター センター長


1993年佐賀医科大学卒業。横浜市立大学医学部附属病院での初期臨床研修修了後、国立横浜病院精神科シニアレジデント、神奈川県立精神医療センター医師、横浜市立大学医学部附属病院精神科助手、医局長を経て、2004年に国立精神・神経センター(現、国立精神・神経医療研究センター)精神保健研究所 司法精神医学研究部専門医療・社会復帰研究室長に就任。以後、同研究所 自殺予防総合対策センター自殺実態分析室長、同 副センター長などを歴任し、2015年より同研究所 薬物依存研究部 部長に就任。さらに2017年より国立精神・神経医療研究センター病院 薬物依存症センター センター長を併任。著書に『ハームリダクションとは何か』(共著, 中外医学社, 2017)、『薬物依存症』(筑摩書房, 2018)ほか。



熊倉 陽介 氏 熊倉 陽介 氏(くまくら ようすけ)
精神科医、東京大学精神保健学分野・ことぶき共同診療所


1985年、群馬県生まれ。精神科医。公衆衛生学修士。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野で地域精神保健の研究に従事しながら、ことぶき共同診療所での診療や、自立支援センターや行政の嘱託医を兼務。ホームレス、依存症、重複障害をかかえる人を対象とした診療と研究に携わる。



西岡 誠 氏 西岡 誠 氏(にしおか まこと)
内科医、ゆうりんクリニック院長


1970年、愛媛県松山市生まれ。内科医。ゆうりんクリニック院長。和歌山の病院勤務ののち路上生活者支援活動に携わる。2013年よりハウジングファースト東京プロジェクト世界の医療団ボランティア医師として、東京・池袋の路上生活者支援活動に参画。2016年4月、ゆうりんクリニックを開院、院長として、主にホームレス状態から脱した方の診療にあたる。



森川 すいめい 氏 森川 すいめい 氏(もりかわ すいめい)
精神科医、ハウジングファースト東京プロジェクト代表医師


1973年、東京要町生まれ。精神科医。鍼灸師。2つのクリニックにて往診や外来診療を行う。2003年にホームレス状態にあるひとを支援する団体「TENOHASI(てのはし)」を立ち上げ、現在は理事として東京・池袋で炊出しや医療相談なども行っている。09年、認定NPO法人「世界の医療団」ハウジングファースト東京プロジェクト代表医師、13年同法人理事に就任。一般社団つくろい東京ファンド理事。NPO法人認知症サポートセンター・ねりま副理事。オープンダイアローグ(OD)国際トレーナ養成コース2期生。ODNJP運営委員。著書に、障がいをもつホームレス者の現実について書いた『漂流老人ホームレス社会』(朝日文庫、2015)、自殺希少地域での旅のできごとを記録した『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』(青土社、2016)等がある。



岩本 雄次 氏 岩本 雄次 氏(いわもと ゆうじ)
精神保健福祉士、ゆうりんクリニック ソーシャルワーカー


1988年、神奈川県生まれ。明治学院大学を卒業後、営業職などを経て相談援助の仕事を志す。専門学校で学び直す中、ハウジングファーストとオープンダイアローグに出会い、2016年ゆうりんクリニックの立ち上げを機に、縁もゆかりもなかった路上生活者支援の道へ。クリニックでの活動をメインにハウジングファースト東京プロジェクトに携わる。精神保健福祉士。オープンダイアローグネットワークジャパン運営委員



望月 優大 氏 望月 優大 氏(もちづき ひろき)
ライター


1985年生まれ。日本の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長。国内外で移民・難民問題を中心に様々な社会問題を取材し、「現代ビジネス」や「Newsweek」などの雑誌やウェブ媒体に寄稿。著書に『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書)。代表を務める株式会社コモンセンスでは非営利団体等への支援にも携わっている。




お申し込み


*定員に達したため、受付を締め切らせていただきました。
空席が発生次第、再度申し込みを受け付けいたします。



お問い合わせ先


認定NPO法人 世界の医療団
(特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン)
03-3585-6436
communications@mdm.or.jp

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