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02.21 2014

「世界の医療団USA」のNoah A. Barth来日 「東京プロジェクト」を体験して感じたこと

「世界の医療団USA」プログラムコーディネーターのNoah A. Barthは、「世界の医療団JAPAN」を訪問し、「東京プロジェクト」の体験、そして感じたことを語ってくれました。

「東京で休暇を過ごしている時、幸運にも日本の同僚、中村あずさと会う機会がありました。彼女は私を、ホームレスや元ホームレスの方々がやっている、『池袋あさやけベーカリー』というパン・プロジェクトに連れて行ってくれました。彼らは自分たちの小さなコミュニティーに私を快く迎え入れてくれて、その日作られていた300個のロールパンの正しい作り方を見せてくれました。部屋には強い仲間意識があふれ、パンをオーブンに入れるたびに人々は冗談を言い合い、お茶を飲みながら焼き上がりを待っていました。そしてそれぞれのポジションから、ベーキングシートを慎重に取り除き、手早くかつ丁寧にロールパンを1つずつ鉄板からはがし、ゆっくりと冷ますために蓋付きのバスケットにそっと入れる、という様に強いエネルギーが押し寄せるのが感じられました。私はこのプログラムは、参加者に仕事を学ぶ機会を与えると同時に、コミュニティーや人の役にたつという感覚を与えることにあるのだと気付きました。

私が次に立ち寄ったのは『世界の医療団JAPAN』の本部で、そこで畔柳奈緒や彼女のチームに会いました。東京のホームレスを無くそうと戦う彼らの取り組み、そして福島における活動や国外プロジェクトについて話を聞きました。特に嬉しく感じたのは、日本チームが『世界の医療団・Rockaways Free Clinic(Rockaway無料クリニック)』に対して強い関心を抱いているということでした。クリニックの写真やビデオを見せ、特にRockawayの住民が直面する問題について長い議論をしました。

夕食の後、私は中村あずさと東京で2番目に利用客が多いという地下鉄池袋駅を訪れました。駅に隣接する小さな公園で、30人程度のボランティアに会いましたが、その中には先ほどパンを焼いていた人もいました。彼らは空腹の人々に、作ったパンや他の食べ物を配布していました。その後、私たちも小さなグループに分かれ、3階建ての駅ビルや周辺道路で食べ物を配布したり、彼らが他に何か必要としていないかを確認したりしました。ボランティア参加者には、必要な場合に備え、3人の医者と2人のソーシャルワーカーが含まれていました。

私がこのパン・プロジェクトの奥深さに気づいたのはこの時です。以前自分が置かれていた状況にある人間に、自分が作ったパンを配布することで、参加者に人間としての尊厳が新たに生まれるのです。ホームレスであるということは、世界のどこでも不名誉なことですが、日本では特にそうです。彼らは社会的道徳観の影響で、恥、謙遜、控えめな性質の維持といったことをかかえています。『世界の医療団』が活動するのは、このような社会的に無視されたグループのためなのです。私たちは、ホームレスのかかえる、空腹、住居、健康面でのニーズなどといった問題に対処するだけでなく、人間の弱さの中核に働きかけることで、個人を立て直す支援ができるのです。『世界の医療団JAPAN』のサポートと共に、私たちも国内外において支援を続けていきます。」
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