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12.27 2016

難民キャンプに冬が到来


ギリシャの難民キャンプで活動する国際医療NGO世界の医療団は(MdM)は、寒波による難民たちの健康状態の悪化に警鐘を鳴らしています。MdMは、EU、国連、ギリシャ政府に対して寒波に対する難民への迅速な対応を呼びかけています。また、欧州諸国に対しては難民に適切な環境下で生活することができる場を提供することで、人道的責任を果たすよう求めています。

MdMが活動する難民キャンプでは、夜間の気温がここ3週間にわたり急激に低下しています。北部のキャンプでは、すでにマイナス7度を記録、冬が近づくにつれて、更なる気温の低下が見込まれます。

寒波は家の中で生活していても多大な影響を及ぼしますが、子どもを含む難民は暖房のないテントで夜を過ごします。幸運にも暖房を持っていたとしても、この不安定な電力供給では、体を温めることは難しいのです。

「ここ2カ月間、気温と湿度の低下が原因で、子どもや高齢者の多くがが感染症にかかりました。データを見ればその傾向は明らかです。10月~11月の呼吸器感染症の患者は、31%を占めています。
寒さに晒されることで喘息や重篤な肺炎を引き起こし、その上合併症を併発するリスクが高まります。感染の割合は、ここ2ヶ月間で約2倍に跳ね上がりました。
極端に狭いキャンプで生活する難民は、発症者と接近する時間が多く、感染リスクがとても高まっているのです。
暖房がないことは、さらなる被害を及ぼします。ギリシャ北部の難民キャンプで生活していたある女性とその2人の子どもは、調理器具で暖をとろうとし、ひどい火傷を負いました。気温が低下するにつれ、暖をとろうとするために怪我のリスクが高まるのです。」
MdM医療コーディネーターのニコラス・マリノスは話します。

シリアのアザズから逃れ、現在ギリシャ北部のキャンプで暮らす難民のアーメッドは話しています。
「寒さをしのぐために私たちができる唯一のことは、火をおこすことです。室内では煙が充満するため、外で焚火をします。夜、寒さで眠ることができないため、仕方なしに室内で火をおこすのです。こんな劣悪な生活環境は経験したことがありませんが、こうするほかないのです。」

「焚火から発生する有害物質や煙を吸引することで、呼吸器系に大きな影響を及ぼします。身体的にだけでなく、それは心理面にも悪影響を及ぼし、医学的にこの状況を看過することはできません。」
MdMのマリノス医師は注意を呼びかけます。

MdMはこの劣悪な生活環境を改善するために、できることは全て行ってきました。
「ギリシャ政府、EU、UNHCRは難民キャンプの改善に向けて尽力してきましたが、いまだ十分とは言えず、現在、ギリシャは重大な危機に直面しています。今こそ、ギリシャに滞在する難民を欧州諸国が平等に受け入れる取り組みを実行する時なのです。」

MdMギリシャを中心とするMDMの国際ネットワークは、ギリシャのエーゲ海諸島及び本島に漂着する難民に対し、常に変化するニーズに沿った質の高い医療サービスを無料で提供しています。また救急医療を提供するほか、必要があれば食料、衣類、毛布、寝袋などの支援物資を提供しています。

現在、MdMはギリシャ国内の28ヶ所の現場にて、医療検診、医療サービスの提供、メンタルケア、アウトリーチ活動と福祉サービスへの仲介、支援物資の供給などの支援活動を行っています。
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