【西アフリカ】エボラ出血熱・啓発活動 「予防」こそが感染を終えんさせる唯一の手段
西アフリカで猛威をふるっているエボラ出血熱は、感染の拡大に歯止めがかかる兆しが見えません。ウイルスが流行しているリベリア、コートジボワールなどは医療が脆弱であり、住民はもとより医療従事者もウイルスに対し正しい知識を持たず、感染の恐怖から医療現場を去るなど、混乱は広がり続けています。
確立した治療法がないエボラ出血熱に対し、事態は限られた医療インフラの中だけで対応できる次元ではなく、予防こそが、この感染力の非常に高いウイルスの流行を終えんさせる唯一の手段なのです。世界の医療団は流行地域とその近隣計8カ国で活動を開始しています。啓発活動によって、一人一人が正しい知識を得て冷静に行動し、また医療従事は知識に基いて予防活動に当たることができ、最終的には病気の感染を食い止めることにつながるのです。
◆集落の保健医療に従事する人々の育成を通じ、一般市民に正しい知識と感染防止を伝えること
◆医療施設の支援(マスク、手袋など感染防止に必要な物資の提供など)
◆医療施設職員に対し、感染の有無を見極めるトレーニングの実施
この緊急事態を受け、世界の医療団では世界全14事務所で、緊急支援を募っています。

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シリア

シリア
住む家を追われた人は1千万人に迫る勢い
紛争が始まって3年半が過ぎたシリアでは、新たな武装勢力の台頭により混乱に拍車がかかっています。1千万人近い人々が国内外で避難民となっていますが、避難生活の長期化に伴って、体調を崩す人も増え続けています。周辺国の難民キャンプなどでの活動と同時に、シリア国内の23のパートナーと協働し、同国内への医薬品供給も強化しています。
◆シリア、ヨルダン、レバノン国境付近の難民キャンプでクリニックを開設。無料診察を含むプライマリ・ヘルスケアの提供や妊産婦のケア、術後のリハビリを実施。
◆シリア人医師のネットワークを通じて、シリア国内に医薬品を供給。

中央アフリカ共和国

中央アフリカ共和国
混乱の中で医療をつないでいます
2013年3月に勃発した内紛に起因する治安の悪化や食糧難、医療システムの崩壊などの混乱は今も続いています。子どもたちの予防接種の接種率は3分の1に低下、はしかや百日咳など本来防げるはずの感染症のために、生命の危機にさらされています。世界の医療団は同年8月より支援を開始し、一部地域医療の再会にこぎつけ、かろうじて医療をつないでいます。
◆首都バンギ郊外、ベグア病院を支援し、昨年から閉鎖中だった参加医療を6月末に一部再開。2週間で42人の出産をサポート。同病院の参加は間もなく全面復旧予定。
◆今後も同病院の支援を強化。手術棟の再稼働(2014年12月)、全面復旧(2015年1月)を目指す。

パレスチナ・ガザ地区

パレスチナ・ガザ地区
生活の再建はスタート地点に立ったばかり
報道によれば、期限を設けない停戦合意が交わされ(2014年9月11日現在)ましたが、破壊された生活を取り戻すためのスタート地点に立ったにすぎません。ロケット弾の破片で重傷を負った人など、応急処置にとどまらない本格的な治療を必要としている人たちが多くいます。
◆爆撃初日から活動している移動クリニックをはじめ、5つのクリニックで診療を実施
◆保健省の薬局に、薬品など医療支援物資と自家発電装置を供給
◆医療チームの心理的負担を減らすこころのケアを実施

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私たちは世界の医療団です。

「世界の医療団」は1980年にパリで発足した、世界各地に医療・保健衛生分野の専門スタッフ中心に派遣し、人道医療支援に取り組む国際NGOです。国籍、人種、民族、思想、宗教などのあらゆる壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべることが、私たちの活動です。

3つの主な医療支援活動

  1. 緊急支援プロジェクト:人道の危機、自然災害、紛争や戦争による非常事態に対応する緊急支援活動です。
  2. 復旧支援プロジェクト:緊急プロジェクトに続き、災害から病院や診療所を復旧させ、医薬品の支給、現地医療職員の育成を行うことによって医療システムの建て直しを支援する活動です。このプロジェクトは、被災者の健康を身体と精神の両面からの治療で回復させる活動も行います。
  3. 長期発展支援プロジェクト:疾病予防対策、保健衛生教育制度、医療職員育成制度への長期的な支援を通して、現地社会の貧困や差別問題を解消することに貢献するものです。

滝川クリステル

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