国外プロジェクト

スマイル作戦
―人々の顔に笑顔を取り戻す―

インフラの立ち遅れ、技術の未発展、医師や看護師の不足、高額な治療費など様々な理由から、多くの発展途上国では、形成外科の疾患を負った患者たちが手術を受けることができずにいます。形成外科が扱う疾患の多くは直接、命の危険に関わることがないため、発展途上国ではどうしても後回しにされてしまうからです。
スマイル作戦の現場では、「村でいじめられ、家からほとんど外に出ません」、「火傷の後遺症で腕が体に張り付いたまま固まってしまい、不自由で授業についていけず、学校は諦めさせました」、こんな声をたくさん聞きます。機能、外見に障害を持つ彼らは、往々にしていじめや差別の対象になるなど、恵まれない生活を余儀なくされているのです。
スマイル作戦は、口唇裂、口蓋裂、多指症などいった先天性の奇形、事故、暴力の犠牲などの後天的な機能および外見上の障害に対し、無償で形成外科手術を行います。
でも、スマイル作戦は、ただ外見を修復するだけのプロジェクトではありません。手術を通し、人としての誇りと尊厳を取り戻してもらい、より豊かな社会生活を送ってもらうことを目的としています。
「笑顔を取り戻し、目に輝きが生まれました。今は毎日元気にたくさんのお友達と外を走り回っています」、
「やっと学校に行ける!将来はお医者さんになりたいの」
スマイル作戦の現場ではこんな声もたくさん聞くことができます。

はじまりからこれまで

1989年、激しい内戦を終えたカンボジアで医療支援活動を行っていた世界の医療団の医療ボランティアたちは、対人地雷で傷ついた人々や先天性奇形を負った人々が手術を受けられず放置されていることを確認しました。当時、カンボジアには形成外科の専門的な知識や技術を持つ医師がほぼ皆無といってよい状態だったのです。
そこで、首都プノンペンから陸路で8時間以上(当時)離れた中部の町バッタンバンにある州立病院で、「治療」と「育成」を目的とした形成外科プロジェクトを立ち上げました。「スマイル作戦」が産声を上げた瞬間です。

開始から20年以上を経過し、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、モンゴル、ベトナム、ネパール、エチオピア、ニジェール、ルワンダ、マダガスカルなどの多くの国々で9,202件(2011年末時点)の手術を行ってきました。

そして、2012年以降、4カ年計画で以下のことを推進していきます。
- ネットワークの他の世界の医療団の参加を促す
- 術後のフォローや活動の質の向上
- ミッション開催国における外科的育成の強化と発展

数字でみる世界の「スマイル作戦」

2015年の実績
ミッション回数:17
開催国:7カ国(カンボジア、パキスタン、ベナン、マダガスカル、タンザニア、ミャンマー、モンゴル)
参加したボランティア:93人
ボランティアの活動総数:1,046日
手術件数:689人

2016年の予定
ミッション回数:26
開催国:10カ国(バングラデシュ、ブルンジ、カンボジア、ギニア・ビサウ、パキスタン、マダガスカル、タンザニア、シエラレオネ、ミャンマー、モンゴル)

モンゴルの例

スマイル作戦モンゴルは2000年に開始されました。ウランバートルにある、モンゴル唯一の熱傷病院で、主に熱傷後の瘢痕拘縮を対象に行っています。世界の医療団のチームは2部屋ある手術室に分かれ、朝から晩まで手術をこなしていきます。現地医師3名、麻酔科看護師2名が手術に加わり、熱心に様々な技術や知識を、派遣ボランティアから直接学び、手術室は活気にあふれています。手術室以外では、講義形式の育成も行われています。毎回、様々なテーマについての講義が行われ、講義後の手術参加をより効果的な学びの場としています。
このミッションで特徴的なのは、手術後の機能回復のため作業療法士や義肢装具士も派遣され、機能回復には大切な術後のリハビリや義肢をより効果的に行えるよう、現地スタッフを育成している点です。
患者に笑顔を運ぶため、世界の医療団はいつも真剣に取り組んでいます。